鋭い彼女

中々､自分と同月同日の誕生日の人に逢う事も少ないだろう｡
そして､その異性と付き合うのはましては稀だと思う｡
そんな彼女が出来た｡
やっとMの存在を忘れられるのかと､
しかし､射手座は我が星座ながら､難しい星座だった｡
射手座=元は半身半馬のｹﾝﾀｳﾙｽがﾓﾃﾞﾙ｡
神々の医師で有り､狩猟もたしなむ｡

特徴としては､頭がきれる｡2面性が有る(人と馬)｡行動が早い｡

戻って､彼女とは中々に愉しく過ごして居たが､どの観点から気付いたかは解らないが､私が結婚する意思がないと考えたらしい｡
Mを消しきれてない自分を見抜かれたみたいだ｡
現に､いっそのこと孕んでくれれば､結婚に践みきれるとさえ､思っていたが､その兆候も無く｡
践みきることが出来ない原因で別れを告げられた｡
已む無しとも思えた｡
当時､25歳の彼女の花の有る人生には口を出す資格は私には無い｡
社会人一年生にまた､一人になった｡
余談だが､私は商品先物取引の営業になった｡
先物の営業は､社長とかに今◯◯が凄いんです｡と話をして､ｶﾞｿﾘﾝやら､金と言った商品を買う権利を手付金みたいに一部の資金で買って(売って)貰う｡
値上がれば(値下がれば)逆に売って(買って)貰う｡
その間の利益を取って貰う｡
仕組みなのだがと､話をし
その翌日に､電話をし昨日話していた､◯◯が朝から凄い値上がりをしてるとお客様を煽るのが主流の営業ｽﾀｲﾙだった｡
だが､私の営業ｽﾀｲﾙは正に富山の薬売りみたいに､培われた｡
ある社長の受け売り何だが､話を聞いて貰う為にはその社長にﾒﾘｯﾄがあるなら聞けるが､先物なんてﾒﾘｯﾄが判らん｡そんなら､話を聞いて貰う為には便所掃除もすべきではと｡
確かにその通りだろう｡と私は実際に便所掃除｡草むしり｡ﾊﾟｿｺﾝのﾚｸﾁｬｰ等をして､話を聞いて貰った｡
成績は､今一つだが皆さんに信頼して売り買いして貰っていた｡
(先物は売りからも入れる｡売りだと値下がれば利益となる｡)
しかし､先物が怖いと言う一つに元本保障は無く､最大自己資本の半分は損をする点に有る｡
実際､私はそうやってお客様に損をさせた事がある｡
そのお客様は､わざわざ電話を下さり､『今回負けたのは､私に運が無かったからだ｡
だが､君を気に入ってやったから後悔は無い』と言って下さった｡いっそﾅｼﾞってくれたら楽だったんだが｡
私がこれを契機に業界を去るのは､また後日の話しである｡