美味しいものを 共有する、ということが、何に似た営みなのか、ということについて。

社会的には、
配偶者、という関係にある人間、がいて。
家族、とか、続柄、とか、
同一世帯、とか、同じ家計、とか、
そういう関係というものがあって。

それは、ものを食べる、という
人間の根本的な営みを
共有する距離が、近いとか遠いとか
を、
さまざまな角度から見た、抽象語、ということに
なるんだろうか？

そういった
社会的なものさしとは
異なった場所に
愛情
とか
恋愛
とか、
そういうカテゴリが
あって。

そのカテゴリのものさしに
やっぱり、
物を食べる、という営みが、ある。

おたがい、
なんの、モチベーション＝食欲の糸口、もないひとと、
食卓を囲むことは、
とても、苦痛だ。
紅茶いっぱい、
ともにすることさえ、
ためらって、しまう。

たとえばその、食欲を
性欲に、おきかえてみると・・・

性欲のわかないひとと
するセックスと
性的な関係を持ちたいと思える相手と
するセックス…

ぜんぜん、違うわけで。
当たり前だけど。
同じ、営みというか、
くっつけたり、くっついたり、
なめたり　かじったり、嗅いだり、
入れたり、入れられたり、
そういう、行為の形としては
よく似ていても、
非なるもの、というか
別物、と考えたほうがいい、
それほどの隔たりが、あるわけで。

性欲、でわかりにくいなら、
あるいは、
知識欲、でもなんでも、いいや。

確実に、そこに問題はあるわけで、
何もかも、いっしょくたに論じてみたり、
そうすると、大切かもしれない何か、が
こころに届くことなく、
問題にもならず、
消え去ってみたり

食事って
セックスって
或いは何かを知ろうとすることって、
いったい、自分にとって
なんなんだろう？
なんて…

そういうことについて、
なにもうたがわないで、
生きていける、っていうのが、
満帆の人生、というもの、
なんだろうか？

ちょっと違う気もするけど、
それはそれで、
幸せなこと、かもしれない。

幸か不幸か、
そんなことに思い至ってしまった人間は、
より満ち足りた、食卓とねぐらを求め

さ、ほんじつも、首相官邸のある街へと
赴かねば・・・