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短編小説・・・最終章

2009年05月01日 20:50

俺は言った。
「署でもう一度、今の話聞かせてくれるかい?調書を取らせて欲しいんだ。君の家に家宅捜査も入る。」
黙ってうなずいた。俺はやりきれない気分だった。
ガイシャ、岡部氏の一生を考えてみた。
生まれは東京ではない。山梨出身で、高校卒業と同時に今の銀行就職した。地元の地銀である。
それから何回もの転勤があって今に至ったのだが、その間に彼は一人の女性に出会う。彼の友人たちは、学生時代に彼に恋人はいなかったという。
それが始めての恋で、ましてや相手が3歳年上女性であったのもきっかけなのかもしれないが、22歳で結婚をする。
その時の彼は有頂天だったのだろう。初めての恋が実ったのだから。
しかし神は平等ではない。二人の間に子供が出来ず、挙句の果てには奥さん子宮筋腫が見つかり、子宮全摘出・・
それから夫婦生活はなかったという。
地方転勤でも単身赴任。やっと戻ってきた東京で時の氏神が。
彼にとっては手放しに嬉しかった。そう考えると彼は子供好きだったのだろう。
つかの間の親子付き合い・・
しかし彼女の気まぐれ(?)な恋心に戸惑っただろう。
妻と愛人の二重生活、それがよぎったと思う。彼は娘のように愛していたつもりでも、きっと一人の女性として愛していた。
それを見透かされたような愛の告白・・
自分の思いをかき消すように否定する・・そして決心して別れを告げる。
しかし一度火がついた想いは消せなかった。それがチャットにはまった理由だろう。
しかしむなしさは消せなかった。そこにジュンとのやり取り。
本当に彼は生きている理由が見つからなかったのだと思う。
だから彼の誘いに応えた。
ナイフを構えたジュンが、睡眠剤のせいもあるが一瞬彼女に見えた。だから彼女に全てを消してもらいたい・・そうおもったのだろう。
刺された後、自分のハンカチを出して指紋を消して自分の指紋だけをつけナイフを抜く・・それから力いっぱい草むらに投げた。
痛みはあったのだろうが、薬も効いてきて彼女との楽しかった思い出が浮かんできた。そしてそのまま絶命・・
あのクソ生意気検察はどう処理するのだろう?
今日は白いお化けと一緒に酒が飲みたくなった・・

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