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短編小説・・・15

2009年04月30日 20:02

公園に歩いていく途中に、チュウさんがふと漏らしたの。死にたい・・って。そこで私が殺してあげようか?って言ったの。その後に私もいくから寂しくないよ・・・って。
一緒に飲んでるときに見せたの、この手首。」
そこには何度もリストカットしたが残っていた。
「それから公園に着いてベンチを探して、雨なのに一緒に座ろうって、チュウさんが。
それからさっきの話の続きだけど、殺してくれるかな・・って言ったんです。私はうなずいて、まずその日に病院でもらったばかりの睡眠剤2週間分を二人で分けて飲みました。もちろん、そんな事で死ねるなんて思っていません。
それから私が普段、護身用に持っていたサバイバルナイフを出してチュウさんを突こうと構えて・・・」
そこで彼の目から涙が。それが激しくなって号泣していた。
「私、刺せなかったんです、構えるだけで。そしたらチュウさんが、チュウさんが・・・」
段々言葉にならなくなってきた。
「チュウさんが私に抱きついて体を密着させてきた・・
その瞬間にナイフが体に入る嫌な感触を感じて。それとチュウさんの痛そうな顔と、○○○さん・・ってつぶやいた気がして。
私、急に恐くなったの!でも、酔っていて薬のせいもあったのかもしれないけどどうしていいのかわからなくて、刺したまま逃げた・・」
救急車を呼ぼうとは思わなかったのかね?」
「思考能力がなかった。ただ早く家に帰らなきゃ・・そればかり。途中、薬が効いてきて眠くて仕方なかったけど、はってでも帰らなきゃ・・そんな気持ちで家に帰ったところで眠ってしまった。
殆ど1日フラフラで。。何があったのか、思い出せないくらいだった。」
「君は刺したまま逃げたんだね。。そうか・・」
私は思い出した。見つかったナイフにはガイシャの指紋しか残っていなかった。それがどういう意味か考えてみたら悲しくなった・・

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