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いらない....

2008年11月25日 23:30

「お前は育ちがいいからな」

軽い言い争いの後 旦那に言われた言葉

驚いた
何の嫌味かと思った

金持ちだったのは 旦那の方 
大きな家に住み
何でも 手にいれていた人なのだから


***********************

うちの生計は 父の稼ぎだけで 
曾祖母 祖母と別れて暮らしていた時分には 仕送りもあり
私たちが 学校に上がる頃には 
母が 内職や 近くのセリ市場のパートを始めた

住まいは 学校の管理下にあった二部屋半の長屋のような家
一家4人で ひしめきあっていた
同じ創りの家は もう3軒
皆 同じ暮らしぶりの中
ご近所さん 幼馴染みは 堅い絆で 
お下がり お上がり 着古し 廃品再利用
贅沢品が一切なくても
周りみんな そうだったから それなりに 満足していた

母の煮物がのった 湯気の出ている皿を 

「ごめんくださ~い」
と 届けにゆく

「あら~ヤっちゃん ご馳走さまね~ 
 え~っと、ちょっと待ってよ」

 お皿を洗う気配の後 ごそごそ何かを探す 小母さん
さほど珍しくもないものでも
必ず 私の運んだお皿には 何かお返しがあがっていたもの
それを待つ 身の置き場のないような時間 大好きだった


暖を取るのも 一つの部屋
冬には こたつで 
テレビが見やすい場所の取り合いに呆れた親が 代用品を用意

トランプ
百人一首
マッチ棒をつかったパズル
なぞなぞ

いろいろ日替わり 流行ありで 
毎夜が 楽しみだった

じゃんけんをして 勝った人が 蜜柑を一房食べる
新聞紙の上に 5個か6個の蜜柑を 
バラバラに剥いて 並べておく

どれが甘いか 大味なのか 
混乱させるゲームだと思っていたら


兄に あるとき冷たく言われた

「馬鹿だな。丸ごとだと一人に2個もいかないからだべせ!」

私は 本当に考えなしで グ~しか出さない父母を 
こっそり笑っていたのに
兄は 一人勝ちしてたバカケ妹を 
どんなに腹立たしく思っていたことか


小学校の高学年になると 何処の家も 派手ではないまでも
女子は 家で誕生会をする

誰それを呼んであげたのに お返し招待がなかった 

あの子んち ケーキ 少ししかなかったんだよ


  カルピス ウインナー ホットケーキ 
  お菓子に スイカとマクワ瓜

私は夏生まれなので 地味な果物の月
それくらいのメニューで 精一杯だけれど
嬉しい日が近づくと 頭はそれで一杯になる

父の赴任先の グラウンドを散歩しながら 
週末に迎えるその日を 
いつものように 父と手をつなぎながら 語っていたあの日

「晶子ちゃんは 色鉛筆くれるよ。
 母さんとツルマイに買いにいくって」

ヒロミはビーズの指輪と大事にしてた
 香水つきのティッシュセットみたい」

「ち~は あっこちゃんちに手ぶらで行ったって。
 そんな子誰も呼ばないし~」

「え~とね そして えっちゃんは多分ね~。。。。」

父が いつになく 手をギュっと握り 言葉を制した

「父さんは、人に物をねだったり、
 何をもらえるとか考える浅ましい人間が嫌いだ。
 お前には、貧しくても、そうあって欲しくないよ。」

驚きと 恥ずかしさで 
本当に 縮んじゃいたくなって

覗きこんでいる父の 瞳を見られなかった

「ん?それでも誰かに期待する自分が好きか?正しいか?」

怖くて でも反論したくて
    (だって それは 皆も同じ。。。)

勇気を出して 父を見上げた
逆光で表情がみえない シルエットだけの大きな人
その後 どうやって家まで 手をほどかずに 歩いたのか
何もかも 憶えていない

記憶は片鱗しかないのに 
それだけが ずっと信念になっていき



どんな相手とも割勘主義
それが原因で 
強情だ 男に甘えることをしない
ひいては 男をたてず可愛くない
そのレッテルは つきまとった

仕方がない 嫌なんだもの 
宝くじが当たったって 理由ない人には 奢られたくないよ
これでも 気を使って 
自分の飲食代は お店を出てから こっそりか
テーブルの下から 渡していたんだけれど

お酒は強いわ お金には細かい うるさいわで
ふられます 
はい 可愛げ全くないそうです

父と終電で一緒になった ある日 
駅から ゆっくり 二人の酔っ払いが 闊歩した夜
ふと 思いついて 
さっき別れた男の
渋々お金をポッケにしまった姿を思い浮かべて 
父に言ってみた

「私さ、人にご馳走になるとか、片もらい割り切れない
可愛くない女なんだって~。
あの小5の工業グラウンドでの教えのせいだ~」

千鳥足のせいだけではなく 父は 全く覚えがない、、と

   そんなもんだろうな 
   言われたほうはといえば
   もう二十歳も過ぎていて
     替えられない性分になっているのに

無責任だよ 酷すぎる めんこいってモテてみたいよ~
って 笑ったけれどね


実は 損ばかりでもない
前の会社は 頂き物の宝庫
一つずつ 味も内容も違う お菓子の詰め合わせ
いつでも 私は残り物でいい人

「迷うから 最後にさせて」
やんわり 譲る

あるとき  すっと出された マルセイのレーズンサンド
あの中では 絶対の一番人気なのに? 何故残ってる?

差出した先輩は 素っ気無く 言ってくれた

「アンタ、これ好きでしょ。たまに好きなの取ってよ」

ね?

こんな良い想い する日もあった
いの一番に 選んだら 
後ろめたさに 味も分からなかった私だから


だから 全てが 悪くも思えない
人を押しのけてまで 欲しいものって 
そんなにあるものでもないし

僻まない気持ちで 
控えられる自分が 嫌でもない


***********************

旦那の科白には 我慢ならなかった
「育ちがいいって、何の皮肉
うちが貧乏で、部屋もなかったし、何でも誰かの
お古だったこと、恥ずかしいくらい話したやんか!
実家でもよく思い出話しされて、その度
アンタも驚いていたやんか」

旦那は 違うと 

「育ちって何も、お嬢って話しと違う。ご飯分け合って、
皆が他に場所ないからって言いながらテーブル囲んで、
何か一緒にやって。そういう豊かさを育ちいったんや」


旦那の家族関係は 希薄
そういった背景 何度聞かされても 
確かに実感が沸かないときがある
互いの誕生日も 入院時にも 電話すら来ないし 
彼も連絡を積極的には しなかった

淋しさ 哀しみを 
お金では替えられなかったのだろうと
思ってはいるのだが


自分の女だという証に
 高価な品を贈る 贅を尽くしてやる
そんな 誇らしさ 優しさ 男心が分からない 強情な女の原点
一生 変わらないで ゆくのであろうと


気兼ねなく 馳走になり 
腕を組んで 甘える男は
世界に 二人しかいない 融通の利かない女


だから 今がどんなに惨めでも 
物欲しげに映って
危なげにみえても
お願いだから 放っておいて欲しい

今の不自由さじゃ 何もお返しできるものがない

それが気兼ね それが負担

そして
それが 
私の意地なんよ

このデジログへのコメント

  • あすなろ 2008年11月25日 23:47

    育ちがいいって 心が豊かなんだと思うよ!おごりたい男にはおごらせてあげる 心の余裕も必要かもよ。

  • tomyan 2008年11月26日 00:19

    気持ち、考えはよく解るよ(^^ゞ☆奢りたい気持ちを満たしてあげるのも…たまには優しさかもね♪(^_-)

  • やじろべい 2008年11月26日 05:09

    昔を思い出すねぇ…50文字じゃ語れない。男は金じゃなくて違うの見返りに欲しがるもんなぁ。笑顔とか(笑

  • ーミっキー 2008年11月26日 06:44

    ご馳走してもらうのが当然!って思ってるよりいいけど、たまには奢らせてあげても‥ねっ(^_^)

  • 赤wine 2008年11月26日 08:00

    でもなぁ
    好きな女には 見返り無しで 何でもしてあげたくなるんやで(^^)
    見返り無しでね(^_-)

  • katsuhiko 2008年11月26日 08:53

    お父さんは本当に覚えていらっしゃらなかったのかな…。
    でも、そういう信念のヒトではあったんでしょうね

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:37

    > Puffyさん
    そういう可愛い女の子は、いいよ。そのまんまで。。
    でも、妻と母の顔のときは、しゃきっとせんとね~
    上手に使い分けて、愛らしい女性でいてくれよ~
    メールしといたよ♪

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:40

    > あすなろさん
    うん、、、何時でも物が足りなくても、思い出は、そう悪いことだけでもなかったのは事実。奢りたい男って、、ちょっと分からないな~。
    気兼ねなく自前で好きなもん食べたいときも★

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:41

    > tomyanさん
    言葉が足りなかったけれど、さすがに本当にお付き合いした場合は、きっちり喫茶店代まで割っていた訳でないんよ(^・^)
    優しさを優しさで返せない不器用な奴です~

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:43

    > ひこさん
    オカン凄いな~「金は天下の回りもの」違うか~(笑)
    とにかく、他力本願は、ほどほどにしないと卑しくみえる気がして。
    オカンの教えは「情けは人のためならず」やね~ ^^;

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:45

    > nekoyanさん
    nekoyan先輩もひしめきあって育った口でしたか~
    順当に成長すれば、奢るも奢られるも普通に捉えられるやろうけれど、私、失敗しちゃって。極端に刷り込まれてしまった

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:48

    > やじろべいさん
    お返しが笑顔でいい男にめぐり合えなかった?とか言っちゃって。。
    最初のデートでご馳走になったら、付き合わないとまずいのかとか葛藤して悩む口でした。いっつも昔の話しで失礼

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:49

    > ミっキーさん
    ご馳走、アッシー、貢物が当然っていう女の子は、自分に自信あるんだなって、気楽な生き方で羨ましい反面、嫌悪もしてた。
    その「たまに」のタイミングが分からないまま、生きてます

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:52

    > 赤ワインさん
    そういういい男だけやったら、苦労ないよね~。
    本当に好き合ったら、話しは別だよね。持ちつ持たれつって言葉を巧く取り混ぜて♪
    嫌らしく考え過ぎなんよね(>_<)分かってる

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:53

    > ゆうな(´・ω・`)ゞさん
    私って、いつもながら書くうちに暴走しちまって済みません<(_ _)>
    相部屋、お下がり、イマドキの子には想像もつかないんだろね。
    その中での楽しみとか~♪

  • ヤヨイ 2008年11月26日 19:55

    > katsuhikoさん
    多分、本気で忘れてると(笑)でも、確かにそういった血しか流れていないような、流行らない熱血体育教師でした(__)
    間違ってはいないし、ファザコンには堪えた教え☆彡

  • ヤヨイ 2008年11月26日 20:16

    > りんさん
    良い思い出で育ったろうね。
    素直で 可愛く 甘え上手な女の子って砂糖菓子のよう♪
    羨ましくて、遠い存在だけれど、今更の修正はできないや。
    奔放が許された少女時代は、かけがえない

  • ヤヨイ 2008年11月27日 20:21

    > さやかさん
    いやいや、本当の意味で育ちが良いと、素直に人に甘えられるのだろうと自己嫌悪にも。

    楽しいも多かったけれど、多感な時代に欲しいものが多すぎて、ひん曲がった狭い心もありました♪

  • ヤヨイ 2008年11月27日 20:22

    > てつやさん
    たくさん、色とりどりの傘を差し出す人が多そうな人が、、何言ってるん(>_<)
    この時期の雨は冷たく容赦ないので、きちんと暖を取って、頑張ってください☆彡

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