花とアリス

今日は会社を休んだ。
特に用事があったわけではなく、ただ単に急ぎの仕事がなかったから。普段は告訴してやろうかと思うくらい忙しいんだけれど、たまに台風の目に入ったかと思えるような暇なときがある。そういうときには、なるべく休むようにしている。そうでもしないことには、しょっちゅうやってくる台風のせいで、有給なんて消化できっこないのだ。

さて、特に理由もなく、上司に「有給休暇の本来の趣旨を全うする為休暇をとるんです。」と言って休んでいるくらいだから、当然やることもなく仕方なしにDVDを借りにいく。
「ミスティックリバー」と「花とアリス」。

「ミスティックリバー」はショーン・ペンの、「花とアリス」は蒼井優の演技が見たくて借りてきた。

日曜日にやっていたトップランナーに蒼井優がでていた。あどけない表情の中にのぞかせるつよい眼差しがおそらく魅力なんだろう。でもそれだけじゃ映画を観たいとまでは思わなかったと思う。
番組の中のひとつのコーナー、「jam」で観客に女優にならなかったらどんな仕事をしていると思うかと聞かれ、彼女は「もう一度人生があるのであれば…」と言った。
それに継ぐ言葉は映画に携わる仕事に就きたいということだったけど、僕は「もう一度人生があるのであれば」という言葉をとても印象深く覚えている。もう一度人生があるのであれば、僕は今の職業を選んでいただろうか。
彼女の強い眼差しを見て、僕は自分は本当に何かを選んできたのだろうかと不安になった。

「花とアリス｣はまだ観ていない。
映画の中の彼女を観たって、僕自身が変わらなくっちゃ何も始まらないことはわかっているけれど、それでも何かしらのきっかけがほしくてそれを観ようと思う。