心のスキ

夜に、マンションの勧誘の電話がかかってきた。
営業マンは大変だと思う。

それにしても、最近、マンションが売れないらしい。
在庫がずいぶんいっぱいあるようだった。



小さいことから始まり、どんどん大きくなっていき、最後に取り返しのつかないことになることがある。

例えば、中学生が、友達のものを勝手に使う。
このくらいだったら、謝れば、許してもらえる。

捨ててある自転車を勝手に使う。
これは、犯罪になる可能性がある。

お店で万引きをしたら、完全に犯罪だ。

だんだん、することが大きくなっていき、最後に犯罪になってしまう。
よくある話だ。


恋愛でも、そうだと思う。
最初は、小さいことから、始まる。
いつのまにか、大きいことをしてしまい、最後に取り返しのつかないことになってしまう。

浮気も、彼がいないときだけ、ちょっと会うだけが、始まりかもしれない。
でも、だんだん会う回数が増えてくる。
いつのまにか、泊まりに行くようになる。

こうなると、彼にバレたら、もう終わりだろう。。。



(昨日の続き)

友達は、仕事を中断させられて、箱根に来て、彼女と知らない男を乗せて、運転している。

納得できない。。。
頭にくる。

この女は何を考えているのか？

無言の車内。重苦しい雰囲気。

そのとき、彼女が言った。
「ねえ、気持ち悪くなってきた。」

「え？どうしたの？」
友達は言う。

「なんか、吐きたくなってきた。」
と彼女が言う。

車で吐かれたら困る。
「パーキングエリアに入るから。もうちょっと、我慢して。」
と言った。

そうしたら、
「高速を降りてくれない」
と彼女が言いだした。

「窓を開けたいし、気分悪い。」
さらに言う。

とにかく、車内で吐かれると困るので、
高速を降りた。
浮気のためのホテル代を出して、お迎えに行き、
車内で吐かれたのでは、たまったものではない。


「横になりたいから、ホテルに行こう。」
と彼女が言った。

「え？でもさあ…」
と言おうとしたとき、

「早くホテルに行って。」
と真面目な顔をして少し大きな声で彼女が言った。

友達は、驚いた。

インターチェンジの近くは、ラブホテルが多い。
その一軒に入った。

ラブホテルの駐車場に車を止めた。
彼女は男に向かって、
「待ってて」
と言った。

そして、友達に向かって、「一緒に来て。気分が悪いの。」と言う。

友達は、この展開に頭が混乱して、よくわからなくなってきた。
どういうことだ？
だいたい、駐車場に男を一人で残すのか？

頭が混乱しているので、彼女のペースになっていく。
言われるまま、チェックインして、部屋へ行く。

そして、エッチをさせられた。

彼女の作戦は、エッチすれば、ヨリを戻せると思ったのだ。
結果は、逆効果だった。

「車で待っているあの男と、朝は、同じことをしていたんだよなあ」
と友達は思ってしまった。

やはり、絶対に無理だ。
どんどん彼女を嫌いになっていく。

友達は、チェックアウトして、車に戻る途中、あの男が、いなくなっていたらいいのになあ、と思った。

目の前で、彼氏と一緒に女がホテルの部屋に行ったのだ。
少しでも、男にプライドがあるなら、一人で帰るのではないか？
と思った。

でも、ちゃんといた。座っている。
この男にプライドというものはないのか？

こんなバカな男に彼女をとられたのか…。
この女は、こんな男が好きなのか…。

いままで、何だったのだろう？
すべてが虚しくなり、喧嘩をする気にもならない。

そして、この2人の顔も見たくない。。。

友達は、決めた。
駅に送り、電車賃を渡して、2人で帰ってもらおう。
そして、この女とは、絶対に会わない。



愛があれば、お金はいらない。
私を本当に愛してくれるのだったら、それでいい。
そういうことを言う、女性は多い。

確かに、小さい会社の社員で給料が安くても、本当に自分を愛してくれていて、自分も彼を愛しているなら、それでいいだろう。
贅沢な生活はできなくてもいい。
幸せであればいい。

でも、将来、非常に有望で、給料もよく、優しい彼だったら、さらに良いだろう。
そして、結婚して満足で幸せな生活を送れるなら、一番いいだろう。


この女の子は、すべてを手に入れられるところだった。
でも、最悪の状態で失った。

サッカーで、リードしているのに終了間際で点を取られて、延長になって、さらに点を取られて負ける、ということがよくある。
これは、心にスキができるのだと思う。

彼に、いつも大切にされていた。
この女の子も、心にスキができたのだと思う。


彼が優しい人だと、すべて、許してくれると思ってしまう。
彼が自分を本当に好きなんだと思ってしまうと、何をしても好きでいてくれるのではないかと、思ってしまう。

思いこみというのは、本当に怖い。

心のスキや思い込みは、いつのまにか大きくなっていく。

すべてのことが、そうだと思う。
最初、小さいことから始め、だんだん大きなことをしてしまう。

最後に取り返しのつかないことになる。。。