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鬱病について

2008年08月21日 01:01

5年くらい前に鬱病になり3ヶ月ほど休職してしまったことがある。

 ウツになった要因は離婚からくる心痛、中間管理職特有の人間関係ストレス、深夜残業の連続による肉体的疲労といった複合的なものというのが医師の診断ではあった。しかし、医師には話すことはできなかったのだが、直接の引き金になったのは、老眼になってしまったという精神的なショックであった。肉体的にも精神的にもタフだと自負していたにもかかわらず、自分が実はもう若くはないのだという事実を突きつけられてしまった時に、意外にも脆くココロは折れてしまった。
 心配性な一面はあるものの、前向きで楽観的な性格もありその時は、「老眼になっちゃったよ~。すっげーショック!」とかみんなに笑い話的に話してはいたのだが、すでに脳内ではセロトニンノルアドレナリンの働きに異常が来たしていたとみえる。仕事が捗らず残業も多くなり、さらには意思決定もままならなくなり、仕事にも大きく支障を来たすようになってしまった。そんな状態になって、初めて鬱病かもしれないという自覚症状に気付いたのだ。

 鬱病患者に対する配慮なのか、最近では鬱病のことを「こころの病」とか呼んだりしているが、個人的な経験からすると、「こころの病」というよりも「脳の病」という方がシックリくる。
 ウツになる主要因は精神的なストレスや不安といったこころの部分が大きいというのも事実ではあるが、鬱状態の脳では脳内神経伝達物質であるセロトニンノルアドレナリンの活動を抑制し、あたかも「思考を停止せよ」「身体活動を停止せよ」といった脳や身体のオーバーワークに対する警告を発しているかのようにも取れる。
 「こころの病」というとどうしてもココロの持ちようによってはすぐに直るような印象もあり、ちょっと違う。ウツの治療には主要因である脳もしくは身体のオーバーワーク状態の解消、つまり十分な休養と脳内神経物質の働きを正常に戻すための適切な薬の服用が必要なのである。明らかに「こころの病」ではなく「脳の病」といえるのではないだろうか。

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