離婚しました８～決断～

つづき・・・・


相手の男にどんな制裁を加えるか、
そればかりが頭から離れない。


とは言ってもさ・・・・
こんな状況になってしまった責任は
多少なりとも俺にもある。

それを認めた上で、自分自身を戒める為に頭を丸めたよ。

ボーズ頭。正直似合わない。

何もそこまで・・・、って言う人もいたし、
職場では笑われたよ。

笑われようが俺には関係なかった。

生半可な気持ちではないことを元嫁に示す目的でもあったし、
俺のボーズ頭を見た彼女は顔色が変わっていたよ。

で、俺の思いついた制裁リスト
１、暴力
２、身元を調べ上げ、嫌がらせ
３、おまえもボーズ
４、慰謝料の請求

もちろん相手の男の言い分や
意見を聞いた上でのことだけどね。

２は俺の主義ではないのでまずない。

３ではとても納得できない。

相手の対応次第では１も考えるし、その筋に相談済。

４も相手の意見を聞いた上だけど、
これが法律で認められている権利になる。

知り合いの知り合いの弁護士に軽く相談もした。
事がこじれるようなら間に入ってもらう段取り。

準備は万端。


そして、いよいよ相手との対面。

指定された時間に指定された某ファミレスに。

居たよ。二人そろってね・・・・

俺に気付くと二人は椅子から立ち上がり深々と頭を下げた。

そんな謙虚な姿勢も俺には何も響かなかったね。

それよりも、相手の男を見て

「ええ？俺はこんな男に嫁を取られたのか・・・」
「俺はこんなダサイ奴に負けたのか・・・・」
って思ったよ。正直。

スーツなんか着てきちゃってさ。

ワルでも遊び人でもなさそうな・・・、
かっこよくもないし・・・、
ごくごく普通の男って印象だった。


緊張なのか恐怖や不安を感じているのかはわからないが、
暗く沈んだ元嫁を横目に、
「なんで呼び出されたかは理解しているよね？」
と俺は彼に問いかけた。

深い深呼吸の後に「はい」と一言。

そこで彼女には席を外してもらい、男二人で話し合った。

彼女との出会いから今に至る経緯を話してもらってね。

それは彼女から聞いていたが、
その男の口からも聞きたかった。

そして浮気の認識があったのかも確認した。

するとその男も元嫁と同じようなことを主張しだしてね。

「彼女から離婚する決意を聞いてから深い関係になった」
だとさ。

俺もそれまでは冷静な態度で接していたんだけど、
もうだんだんと我慢出来なくなってきてさ。
少し声を荒げたよ。

彼女に諭したように彼にも言ったよ。
「それが世間一般では浮気っていうんじゃないの？」ってね。

それに関しては彼も認めながら、

「彼女が離婚を決意してから・・・」
「離婚を誘発したわけではない・・・」
と主張しててさ。

それを聞いててなんだか自分が可哀想になってきてね。

もう限界でさ。

離婚を決意した前後だろうが、
離婚を誘発してようがしてまいが、
それは二人の世界で、
そこに俺の気持ちは無視されてんだろ！
逆の立場だったどう感じるんだよ！

って怒鳴ってしまった。

「もし仮に、俺がヤクザだったらそんな理屈通用するか？」
なんてことも言う始末だよ。俺は。

これではまるで小学生レベルの屁理屈だよね。

でも実際そうじゃん？

ま、とりあえず浮気の認識があったのは確認できたので
今度は元嫁と二人で話し合い。

もう対面しても愛とかはみじんも感じないよね。

彼女にはどうしても聞いておきたいことがあってさ。

「両親は彼の存在と関係を知ってるの？」と聞いた。

正月に帰省した際に離婚の話も当然しているだろうけど、
どう説明しているのか疑問に思っててね。

「彼のことは話してません」と彼女。

内心は「やっぱりな・・・」って思ったよ。

「じゃぁ、俺が悪者になってるんだね？」と言うと、
彼女は泣き出しそうになってさ。

なんだか弱い者イジメをしているみたいなので、
それ以上追求はしなかった。いや、出来なかったな・・・・


お互い裁判沙汰や調停離婚は望んでなく、
協議離婚にする意思を確認した。

しかし俺は彼に責任を取らせたい。ケジメだよね。

なので彼に慰謝料を請求する決意を彼女に言うと、

「それだけはやめてください・・・」と。
「悪いのは私だから私に請求してください・・・」と。

でも俺は彼に制裁を加えたいわけだしね。

もう迷ったよ。

意固地になって
変に意地悪をしているだけなんじゃないかって・・・
ね。

葛藤やら自己嫌悪とかで自分の中の迷宮を彷徨ってしまった。

とりあえず俺は決断できなくなってしまったので、
話し合いは後日に持ち越しになった。


あとは俺の決断次第だが・・・・・



続きは後日に・・・・