好きですあなた

御堂筋は　ゆうべの雨で
ひときわ黄色のイチョウ葉が映え
アスファルトの路面に張り付いて
秋のわびしさを感じさせます

今年の黄葉は例年より遅く
１２月に入っていまピークです
ついこの前堅く細い枝先に
黄緑の芽と花をつけて芽吹いたイチョウが
もう真っ黄色い枯葉になって
土に帰ろうとしています

春緑色のイチョウの精が生まれて
秋に年老いて枯葉になって土に帰る
そんな思いでイチョウの葉が一生を終えて
自然に戻ります

緑が茂って御堂筋の空が覆われ
黄葉して散り落ちて
御堂筋の青空が顔を出します
冬の訪れとビル街に師走の風が吹き通ります

緑の春の恋の思い出と
枯葉の歌声が
雨上がりの落ち葉とともに
私の耳に響いてきます

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　時計　　　　作詞作曲　五輪　真弓

好きです　あなた
口には出せないけど
こんな時　別れ際
何を言えばいいの
つらいわ　わたし
唇　ふるえるばかり
コーヒーカップ　細い指
何故か重すぎて

路ゆく人は　ガラス越しに
二人を見てるわ　羨むように
けれども　あなたは
はねかえすように
袖口の時計を見た

誰なの　あなた
これから逢いに行く人は
ばかね　わたし　そんなこと
ききたくなかったのに
さよなら言えば
あなたは席を立つから
ふいに言ってしまったの
笑うふりして
しだいに暮れてゆく
この街にも
やさしく灯るわ　水銀灯
けれども　あなたは
そのぬくもりを
わたしにくれない