【崩れる美貌妻　性奴隷への道】　4 　居たたまれない周囲の目

事件の直後から会社に出ることはなかった　欠勤届は出したが理由は体調不良とだけ記述した　受付嬢をしていたが英一と顔を合わす勇気がなく　自宅に引きこもった　

英一には　結婚前の独身の間にしたいことがあると云うと　訝しがることもなく　ゆっくりしたらいいよと　いたわってくれた

ただ、事件後　買い物などで外出するたびに　真奈美は自分に注がれる視線がはっきり変化したのを感じるようになった

もともと人目を惹く美人だけにその界隈では注目の的だったが露骨な好奇の視線に変わったのだ　主婦連が真奈美の姿を見かけるたびにひそひそと囁き交した

もっとも衝撃を受けたのは　隣室の主婦の口からだった

あの日　犯人が逃走してから　被害に遭ったと思われる真奈美の部屋は内鍵がかけられたままで　ドアを叩いても応答が無かった

なので　最悪の事態を心配した管理人が合鍵でドアを開けたが　真っ先に飛びこんだのがその隣室の主婦・・
其の主婦が眼にしたのは　猿ぐつわをされ後ろ手に縛られ　全裸でもがいている真奈美の姿であった

真奈美は縄を解く暇が無かったのだ　咄嗟の機転で主婦は真奈美の裸身に布団をかけて　他の者を部屋の外に追い出してから　縄を解いてパジャマを着せてくれた　おかげで真奈美は駆け付けた警察とパジャマ姿で応対することができたが　一瞬にせよ全裸の哀れな姿を目撃した者は主婦以外に数人いたのだ

その隣室の主婦の口に戸が立てられなかった

「口止めしたけどさ　だれかが喋っちゃったのよ　あんたが強姦されたってね　まあ裸で縛られてたらさ・・そう思うのも無理はないけど・・全く　人の迷惑を考えない者がいるから　困るよね」

50過ぎの主婦は概嘆してみせたが　内心では強姦されたことで　ある種の溜飲を下げたのだ・・自分と比べてあまりにもかけ離れた容姿だったからだ

そんなことで　結婚を間近にした一人暮らしの美しい娘が強姦されたというのは　これほど興味をそそるものはない噂はたちまち広がって　今では町中で知らないものがな　いくらいになった

人目を恐れて極力外出を控えるようにしていたが必要最小限の食料だけは買いに出なければならない

＜あの子よ　この間　強盗に犯られたっていうのは・・あんなことがあった後で　よく平気で出歩けるモノね＞

＜婚約中だったそうだけど　あんなことがフィアンセに知れたら　きっと破談になるわ＞

などと　聞えよがしに囁き交す者もいる　他人の不幸は自分の自分の幸せと感じるのが世間の常である。

犯人が肉体に負わせた傷よりも、世間の心ない噂や好奇の眼に23歳の繊細な神経をズタズタに裂かれて真奈美は憔悴した

《それと警察には気づかれてないが重大な秘密が有った・・それは犯人が事件後　真奈美宅を訪れたことだった
犯人の度重なる脅しと淫猥な要求に屈してしまったことに居たたまれなかった　》

(ここを出よう！　もう我慢できない・・)
真奈美は決意した

結婚前にここを出て心機一転したいと　英一に云うと　快く引き受けて今のマンションに引っ越すことができた
英一は事件のことなど知る由もない　理由は判らないが　塞ぎがちだった、真奈美の中で何か吹っ切れたものがあると思ったのだろう・・
真奈美にぞっこんだった英一深く考えず　引っ越すことに二つ返事で受け容れた