- 名前
- 安西薫
- 性別
- ♀
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 北海道
- 自己紹介
- パクパクは好きですよ
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乳飲み子とテレクラとお人好し社長のお話
2014年03月31日 13:20
息子が今年で15歳なので
もうかれこれ15年前のお話なんですね。
身重になって間もなく旦那とは別れたので
産んだその場で母子家庭だったんですが
臨月まで働き(よく流産せずに耐えてくれたと思う(つд`))
保育園に預けられる生後2ヶ月になるまでは、貯金を切り崩して生活してました
恵まれたことに、一足先に子供が生まれていた友人数人から
おさがりとか、ベビーカー、ラック、チャイルドシートに歩行器いたるまで頂けたので
買うのはミルクとオムツのみだったから、お金の減り方がゆるやかで
助かりました
子供を保育園に預ける事ができる生後2ヶ月近くなって
なにか仕事しなきゃなー
でも2ヶ月から預けるなんてかわいそうだなー、てか心配。
宝くじでも当たらねーかなー
とか考えていると
以前に飲食店を経営してた頃の常連さんだった
テレクラの社長から電話が来て
『保育園に預けられるようになったらうちで働かないか
保育園の時間だけフロントに座ってもらって
乳飲み子だと急に体調を崩したりいろいろあるから
そういう時は俺が代わりにフロントやるから
これから1人で大変なんだし、普通の会社なら嫌がられるんだから
前向きに考えてくれ』
という話だった
断る理由がなかった
私も、会社勤めしていた頃は
小さい子がいるお母さんは、すぐ早退するし休むし
それで友人の結婚式に出れなかった事もある
係長や課長が手薄な時ならいいけど、そうじゃない時は独身者がぜんぶひっ被らなきゃならなかったから
乳飲み子を抱えた人が働きにくることは、どれだけ周りに迷惑をかけるのか
身をもって知ってただけに
それをわかったうえで働きにおいでというのは
テレクラのフロントであってもありがたかったし
9時に保育園に預けてから、車で隣町まで移動して出勤
掃除やセッティングをして10時に開店
ちょうどよかった。
5時になると店長か社長が交代で出てきて引き継ぎをして、また子供を迎えにいき
お風呂に入れて寝かして
翌日に保育園に持たせる母乳を絞って冷凍庫に入れて
また次の日も・・・と。
やはり発熱したりは月に数回あって
申し訳ない気持ちになったけど
社長は、『みんなそうやって育ててきたんだから気にするな』と言ってくれたり
『実は夜にバイトの若い子を連れて食事してるんだけど
薫だけ早く帰って食べさせてないから』って
別手当をくれたりとか、本当にいい社長だった
ところがある日、5時にくるはずの店長がこない
お迎えは6時なのに。
社長に連絡すると、『大至急向かうけど一時間以上はかかる』
しょうがないので、当時まだ健在だったおじいちゃんに事情を話して
タクシーで迎えに行ってもらい
社長がきてから急いでおじいちゃん家に行くと
息子は元気で、なんとオムツもおじいちゃんが替えてくれてて
助かったけど
いつもこんな事があるなら参るな・・・
と、不安がよぎった
翌日、テレクラに出勤すると
朝なのに社長がいて
地獄のような顔をしていた
個室にあったテレビやデッキ、その他備品の数々
帳簿や顧客リスト、フロント流しのエロビデオ、レジのお金のすべてに至るまで根こそぎ消滅していた
脱税でもしていて、差し押さえられたのかと思ったら
社長は、『こういう商売だからこそ税金関係や支払いに至るまで
すべて疎かにはしたことがない。
店長と連絡がつかない
店長どころか、もう1人のバイトのババアまで雲隠れだ』と
私は
『テレビやお金は店長だと思う
でも個室にあったハーフケットや灯油なんかのセコい盗み方はババアだと思う』
と言った
あと、『お客さんが持ってくるポイントカードの日付と受け付け名簿の帳尻があわない
ババアが1人でフロントに入ってる時に売上を相当ごまかしてる様子だった
ちゃんと裏付けをとってから報告するつもりだったけど、受け付け名簿ごと消えてるし・・・もっと早く告発すればよかった
あと実はババアが、評判がいい女性の電話を優先的に回せ、みたいな袖の下を受け取ってて
あんたも仲間にはいらないかと誘われたが断っていた
そんなことしたら、他のお客の足が遠のくし
私も乳飲み子抱えた面倒なアルバイトなのによくしてもらってるから
お店が儲かるように、1人でも多くお客さんがくるようにと考えて
テレクラに女を探しにくる後ろめたさを感じさせないように、ニコニコ接客したし
地雷を踏んだら愚痴を聞くから戻ってきてもいいし、サービスで空いてる個室を都合してリベンジさせたり、工夫をしてきた
実は店長か社長がくる前に退店してもらってたのだけど、もしバレても事情を話せば社長は怒らないと思ってた
他のお店に行くのはやめてひいきにしてくれるだろうし。
なのに店長とババアときたら
ちょっと仕事覚えたら横取りするし
ババアは火事場泥棒みたいなことするし。
けしからんですね、ギャフンといわせたい』
と伝えたら
社長は泣き出して
『俺がどんな店づくりをしたかったか、薫が一番わかってくれてるな
これは俺の管理ミスだ。働いてくれてる事に感謝していろいろよくしてきたのに
こんな裏切りがあるか・・・』
ほん
とは乳幼児を抱えた従業員なんてどこも使いたくないはず。
なのに社長は、住宅ローン払えない昼職の人を雇ったり
借りてきた猫みたいなバカ店長なのに、役職を与えれば自信を持って成長できるんじゃないかとか
はっきりいって、従業員の為に働いてるような人だった
時には家に帰る時間がなさすぎて、個室に寝泊まりして近所の銭湯でお風呂を済ませたりもしてた
洗濯物を洗いますよといっても、恥ずかしいからいいよと言う人だった。
だから少しでも営業努力をして、社長の給料が多くなるようにするのが恩返しだと思ってたし
この不景気に給料をもらえるのは
当然の事ではないんだから
私は当然の事だと思って言ったのに
泣くなんて。
よっぽど悔しいんだろうな・・・
とりあえず、個室が使えず
受け付け名簿も、地雷女リストもない状態ではお店は営業できないから
他の事業をやってた社長の奥さんが
緊急事態だからってことで会社は社員に任せて
お店が整うまで手伝ってくれるというから
お店は奥さんに任せて
社長と二人でまずは店長の家に凸することにした。
私の車で。
後部座席にあるチャイルドシートをみて社長が
『まだこんなに小さいのか、おまえ良くやってるよ』
私
『実は乳が張って限界がくると無人のフロントの手洗い場で絞ってました』
すると社長は、今回の事をうけて奥さんが
フロントと廊下にカメラを設置すると言ってるから
もう乳搾りはやめろよと言った
じゃあトイレで絞ります
とか言ってるうちに、店長の家に着いた
平屋の一軒家。
インターホンを押しても応答がない。
社長
『ここからもずらかったのかな・・・』
郵便受けから覗いてみると、謎の段ボールが山積みで
生活感はあるから
『お店から盗むのが先で、家の方は手付かずみたいですよ。』
社長が家の裏に回ると
『この窓の施錠が開きそうだ』
みてみると、鍵のかけ方が中途半端でもうひと息で開きそう。
私は両手の平を窓に当てて上下に揺すった
社長
『おまえ慣れてるな』
『前に自宅の鍵をなくした時にこれで成功したんです。
新しい造りの家の樹脂サッシは無理だけど、古いアルミサッシはたいていガバガバなんです』
いうなれば住居侵入なんだけど
お人好しの社長を相手にあんまりだし
保育園の時間までに勝負を決めたいから完全にテンパっていた
窓が開いて、そこは寝室だった様子だけど
部屋の床が見えないほど散らかっていて
店長がいつも履いてるジーンズが無造作に脱ぎ捨ててあったし
今さっきまで人が居た気配がある
窓をガタガタやってるうちに移動したらしい
【家の中のどこかにいる、ぜったいいる】
私
『おい!中島(店長)こそ泥野郎出てこいゴルアアア!他人様のものちょろまかしてタダで済むと思うなよ!社長がどれほどの思いで店をあそこまでにしたと思ってんだ!窃盗罪でブタ箱はいるかゴルアチンカスゴルア!私も保育園あるからおのれらのお遊びに付き合ってる暇ねえんだよ、観念して出てこい』
つづく
このウラログへのコメント
> ノーザンポラリスさん
社長は、自分のお金は従業員との飲食や前借りに応じて使ってしまって自由なお金がなくて、奥さんのお金で備品を買い揃えたから、奥さんが自分の店だと威張りだして大変でしたよ。
長文ですが、途中からグイグイ引き込まれて最後まで読みました。
続き読みたいです。
> akpさん
今日まで春休みでご飯したく地獄なのと、タブレット取られっぱなしで、じっくり書く暇なくて┓( ̄∇ ̄;)┏
いいねーー。やっぱ仁義だよねw
それしかないよな^^
すごい
話もすごいし続きが見たくなります。文才がすごいです
苦労半端ないですね
幸せにならなきゃ![](https://static.digicafe.jp/emoji/k/33E.gif)
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