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- 我ハ墓守也。
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Hate crimes
2013年04月05日 03:23
昨日に続きおっさんの呟き。
BBCを見ていたら、ハッとしたニュースがあった。
いや、ニュースでなく、スタジオ収録のインタビュー。
英国でHatecrimeの定義が拡大された、というニュース。
これも、我が国では「何それ??」というニュースやと思うけど。
米国では同性愛者を対象とした犯罪などがその代表的な適用例とされていますな。
つまり、自分と異質であることを唯一の理由として行われる暴力犯罪をHatecrimeと定義し、通常より重い刑罰を適用する刑法制度。
これはね、人類の汚点と言うか、暗部を直視した制度やとわしは思うてます。
日本人から見ると驚くほど宗教的な人が多い米国人にとり、同性愛は許されざる、神への冒涜といえる犯罪と受け止められることが多い訳です。
で、それを唯一の理由として、彼らが攻撃される。
こうした事件が起こる度に、地域を二分する論争が巻き起こります。
厳罰を望む層と、「自業自得」と言わんばかりに容疑者を擁護する論調もまた出る。
まあ、日本で暮らしているとちょっと御伽の国の話に思える出来ごとですが…
しかし、世界ではこれが現実な訳です。
欧州でも米国でも、同性結婚を認めるかどうかがホットな話題として議論されています。
どちらの側も当然ながら、必死の攻防です。
そして欧州では、かつてナチがユダヤ人殲滅を本当に実行してしまった(幸い、未遂に終わりましたが)ことへの反省があり、こうした考え方が受け入れられやすい土壌があったのでしょう。
米国では独立以来、白人対黒人という構図で延々と殺し合いが行われたことは多くの文学作品等で繰り返し描かれている通りです。
しかし、我が国ではこうした話題が公の場で取り上げられることは殆どありませんな。
良くも悪しくも、外の動きから遮蔽されたのが我が国の特色であることが分ります。今も昔も…
で、英国の話。
今回、Hatecrimesの定義がいわゆるゴスロリと呼ばれる音楽ファンの一派を含むように拡大された、という報道がBBCでされていました。
ゴスロリ…
わしはね、これは素直に受け入れるのが難しい話しです。
同性愛者、異人種対象の犯罪をより厳しく罰することには合理性があると思います。
だって、社会にそれを容認する空気がある訳ですから、バランスを取ることは必然でしょう。
そして、同性愛者に関して言えば、彼らはしたくてそうしている訳ではない、とわしが理解している、という理由もあります。
わしには同性愛者の友人がいます。
彼らはそれは悩んでいますよ。
自分のSexualorientationを疑い、否定し、悩み、やがて受け入れ、それに応じた生き方を考えるようになる。
かれらは望んでそうなったのではない、という理解に基づくと、彼らに対する偏見が実に一方的な見方であり、それだけの理由で彼らが攻撃されることは決して許されざる行為であると分る筈です。
心理学でも、幼少期の家庭状況が子供達のSexualorientationを決定することが証明されています。
つまり、彼らは犠牲者でこそあれ、聖書に背く生き方を好んで選択した背徳の者ではまったくないことが理解されます。
やからこそ、彼らを対象とする攻撃が通常より厳しく罰せられることの合理性が納得できる訳です。
しかし、ゴスロリ…
これを同性愛者と同列の、必然というか、自分で主体的に選択した結果でない、として擁護することに合理性があるのか?
英国でこの法案が通った背景には、このファッションの少女がそれだけを理由として殺されるという痛ましい事件があり、その被害者の名を冠した財団が結成され、その財団が法制化を熱心に推進した、という事情があるそうです。
その事件の痛ましさを否定するものではありませんし、被害者の冥福を祈る気持ちは変わりませんが、
しかしこれをHatecrimeと定義してしまうと、一体何処に線を引くのが合理的なのか、非常に曖昧になる恐れを感じない訳には行きません。
人種も性志向も、自分で決められない、という前提があって初めて、それらを理由とした犯罪がHatecrimeと定義出来る訳です。
更に、その結果が、人格の一部を形成する程の影響を持つという条件があるでしょう。人種も性志向もそうです。
宗教も同様。
しかしゴスロリを選択した少女達は、同じ基準で、自分で選択した訳ではない、という主張に合理性があるのでしょうか??
一時の志向としてそうなっただけで、飽きたら次のスタイルに流れて行く少女が含まれている可能性が何故検討されないのか。
これをHatecrimeと定義してしまうと、次は何が起こるか?
わしはね、こういうシナリオを恐れます。
今回はゴスロリがHatecrimeの対象として追加された。
その内、ヒップホップを踊る若者がそれを理由として犠牲になる犯罪が起こる。
ヒップホップの大物ミュージシャンが金に物を言わせて政界に金をばら撒き、ヒップホップスタイルの若者が対象となる犯罪がHatecrimeの定義に含まれる。
その次はパンクロック。
その次は、音楽の志向以外で、例えばバスケットボールのファンとサッカーファンの間で乱闘が起こり、結果として死者が出てしまう。これまた、Hatecrimeの対象に含まれてしまう。
…
これが続くと、あらゆる犯罪がHatecrimeとされるようになる訳ですよ。
やがて、Hatecrimeの合憲性を問う訴訟や、Hatecrimeに含まれるかどうかを議論する訴訟などが続発するようになるでしょう。
何とも不毛な法廷論争。
これはHatecrimeという考え方自体に対する死刑宣告に他なりません。
人類がその汚点に対する解決策、少なくとも改善策として到達し、実現した一つの制度の終焉です。
社会的にみて、これは大きな後退と言わざるを得ません。
そうした危惧を覚えつつ接した、BBCの報道でした。
しかし、我が国では報道されるんやろか…
皆様ええ一日を。
このウラログへのコメント
外国らしいニュース。異質なものを認めにくく排除しようとする考えは日本でも同じですが、より柔軟ですね。
> ♪みゅうみゅう♪さん
そういう見方も出来るけど、わしは偏にメディアがまともな報道をせんからやと思うよ。
国民の脳細胞溶かすような報道しかしないでしょ? わしもネット普及でそれに気づいたクチやけど
> ♪みゅうみゅう♪さん
でもこんな、読みにくくかつ法律論のような文章を読んでくれてありがとう。
感謝します。
ええ日曜日をね。
同性愛それだけで叩かれるというのは知っていても、そういう人を保護する法律も有るんだね。愛って難しい。
> ☆あねもね☆さん
当人達にとっては愛に違いないんやろうけど、周囲がそれを不道徳としか見ないとすれば悲劇。
増してそれが攻撃、犯罪の理由となるならね。法律で保護することもまた自然の成り行き・・・
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