もう、ひとりじゃない

いつもひとりでいるのは　臆病ものだから

幸せな思い出で積み上げた積み木が

壊れてしまうのが怖いから

ひとりでは埋められない　穴のあいた心

これ以上　広げたくないから


「強いね」とひとは私に言う

ひとりになっても大丈夫だから・・・と

わかってない

ひとりになっても大丈夫なんじゃない

大丈夫でいたいから　ひとりでいるのに


なんでこんなに怖いんだろう

心にあいた大きな穴をのぞいてみる

穴の奥に　小さいわたしが泣いている


どうしたの？

「怖いの・・・・」

何が怖いの？

「ひとりが怖いの・・・」

お母さんは？

「いそがしいの・・・」

お父さんは？

「もういないの・・・」

そうか・・・寂しかったね
もう大丈夫だよ　わたしがずっと一緒にいるから

だから　ひとりじゃないよ

「ありがとう」


泣いたらいい

涙が涸れるまで

泣くだけ泣いたら

涙が心の穴を埋めてくれる


幼き私と　今の私

二人の涙が傷を癒す

もうひとりじゃない

いつもひとりじゃない

私の中に　私の愛する私がいて

私を愛してくれる私が私の中にいる


ひとりじゃない

だから

もう　怖くない