【ツンデレハート】姫始め、01

ツンデレちゃんち。
くはー。いっぱい買ったね～。
「そう？まだまだ足りないくらいよ」
こんなに福袋買ってどーすんの？
「もちろん……って言わすな恥ずかしい」
ん？
「とりあえず高校生の小遣いで楽しむには知恵が必要なんだからねっ」
勉強僕よりうまくいかないくせに～。
「なによっ。とにかくこれを開けるわよ」

レトロゲーム福袋。
プレステ1とかのゲームソフトが大量に入ってるやつだ。
チリヤマで重かった。
「これ、あげるわ」
ありがとう……って何で？
「同じの2つ入ってたのよ」
なるほど。福袋作ったひと馬鹿なんだなぁ。

ってこれ、クリキャスのソフトじゃないか～。僕本体持ってないよ～。
「あたしは持ってるわよ」
クリキャスをテレビにセットするツンデレちゃん。
早速遊ぶんかい。
「この本体も前回の福袋で入手したのよっ。クリキャスのソフトもなかなか手に入らないから動作確認よ」
ちなみにメモリーカードも完備。

「ゴマジラジェネレーション！」
身長50メートルの巨大あざらしで街を破壊するゲームだ。
「自機がかっこかわいいわね」
「きゅ～」
放射能熱線で福岡を襲うあざらし。
ある程度破壊すると
「ぴよぴよ～」
「ぴよぴよ～」
「ぴよぴよ～」
どっかで見たような3つ首ドラゴンが飛んできた。
「このステージのボスね」
「きゅー」
「ぴよぴより♪」
じゃれあう二匹。
「たっ闘ってるんだからねっ。じゃれあってるんじゃないんだからねっ」
振り袖でレトロゲームに夢中なツンデレちゃん。

ツンデレちゃんのうなじ。
じろじろじろじろ……。
絡みつく視線に、彼女は動じない。
じゃれあいに区切りを付けたのか、3つ首ドラゴン(キングピヨラ)は空に去った。
じゃれあいの結果廃墟とかす福岡の街並み。
「きゅー」
咆哮。
「ステージクリアよっ！」
夢中なツンデレちゃん。
耳に息を吹き掛ける。
動じない。

もっといたずらしないと気づかないのかなぁ。

続く！