【妹ラブ！】カラオケ対決っ！

「ツンデレちゃん、自らアウェイを選んだっ」
クラスメイトの指摘通り、この対決はツンデレちゃんに不利だ。
何しろアイドルちゃんはプロの芸能人。こっちは素人さんだ。
観客だって、プロを支持する。
「じゃあ、こちらから行くわよ！」
アイドルちゃんは所属するユニットの代表曲を歌った。
盛り上がる宴会場！
「さすがね。じゃあ今度はこちらの番よ！」
な、なんだこの曲は！？
ツンデレちゃんが選んだのは
「レッツゴーカーマインキック～ぶっとばすぞのテーマ～」
「魔法少女っ」のサウンドトラックにある、マイナーなキャラクターソングである。オリジナルはなぜか小春の中のひとの持ち歌である。
「そんな歌曲、カラオケにあるわけ……あったよおい！」

「カーマイン、清澄茜は魔法少女っである。彼女らと対立するネオバビロニアは世界征服を企む悪の帝国である。ご町内の平和を守るため、カーマインは闘うのだっ」
歌の中のナレーションまでこなすツンデレちゃん。
恥ずかしがるアイドルちゃん！
「やめろ～ツンデレ！ぶっとばすぞ～！！！！」
奇しくもその抗議の声はカラオケ採点機に認識された。

そして勝者は……ツンデレちゃんだった。
知ってると思うけどカラオケ採点機の高得点と歌の上手い下手やパフォーマンスの盛り上がりはイコールではない、てか違う！
ツンデレちゃんは歌曲の内容を忠実にするために敢えてはっちゃけたのを選んだのだ。
「う～。兄くん詳しい」
父さん母さんに良く言われてたから、この手のうんちく。
「勝った！勝ったわよ！べっ別に嬉しいとかじゃなくて、勝って当たり前なんだからねっ。勘違いしないでよねっ」

なんという小さな勝利。

ちゃんちゃん