【妹ラブ！】攻め受け

「つまり、妹ちゃんは兄ちゃんをめちゃくちゃ好きで、兄ちゃんは妹ちゃんをめちゃくちゃ好きで恋愛どころではないという事っすね」
新進気鋭ちゃんは自分の都合良いように解釈した。そして口外しないと勝手に誓うのだった。

修学旅行開始当日。
「あらあら、おはよう♪」
「あらあら、寝不足ね～」
ダブル母さんだ。テーブルには雑な料理と丁寧な料理。
「いよいよ修学旅行っすね♪」
「いっぱい楽しんで来てね。ロマンスの2つや3つは期待してるわぁ～」
なでなで…なでなで…
わ。母さんやめろって、ひとの目がある。
「そうっすね。兄ちゃん可愛いから可能性いっぱいあるっすよ！…そうなれば丸く収まるっす…」
ん？なんか言った？
「今日はいい天気っすよ～」
軽く朝食を済ませ、学校へ行く。
「お兄ちゃんだ～。おみやげ忘れるななのだ～」
まだ眠そうな妹がパジャマ姿で手をふり、洗面室へはける。
じゃあ行ってくるよ！
「あらあら、行ってらっしゃい」

…………。
どこまで見送るつもりだ？
「名残惜しくってっす。てへ」
かつらを外した新進気鋭ちゃん。物陰に手招きする。
「兄ちゃん……」
何ですか？
すると新進気鋭ちゃんは無理矢理に強く抱きしめてきた。
「兄ちゃん。旅行先でロマンスなかったら、私がロマンス用意するっす。……いい加減に恋愛を経験しないとダメだよ」
どういう意味だろう。
恋愛ってしようとしてするもんじゃないんじゃないかな。
わからない事を言うひとだ。

今度こそ兄を見送る新進気鋭ちゃん。
「あとは妹ちゃんっすね……」

ちゃんちゃん？