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官能小説です
2011年04月23日 22:50
『始まりは雨』 第2話
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●こぼれる涙
サトシにホテルに誘われた日の夜、美沙は自宅に戻り
ベッドにもたれ掛かると、虚しさに襲われて
少しだけ、と自分に言い聞かせて泣いた。
自分を軽く見られたことと、彼の軽薄さに落胆したからだ。
一方サトシは、自分が発した言葉に激しく後悔していた。
美沙は、自分が今まで知り合った子のように
軽々と誘ってはいけない女性だった。
そんなこと簡単に許すはずがないのに…。
他のどの女性とも違うのに……。
●伝えたい想い
それから数日後、美沙は避けていた図書館に久々に足を運んだ。
ドア付近で、ふいに「牧田さん」と呼びとめられる。
立っていたのはサトシだ。
無視して歩く美沙の後ろを彼もついてくる。
「なんですか?」
本を眺めながら、背後に立つサトシにたずねる美沙。
「どんな本読むのかな?って」
「……」
「お勧めは?」
美沙は一冊の本を取り出し、サトシに渡す。
「はる……こと?」
「春琴抄(しゅんきんしょう)。一人の女を一途に愛しぬく男の話。」
美沙は冷たく言い放ち去った。
次の日もサトシは図書館にあらわれた。
「読んだよ。難しいけど、なんか共感できたなぁ」
サトシの言葉は、美沙には意外だった。
その後も毎日、図書館でサトシに出会う。
もしかしたら彼は、
再会する前からここに通っていたのかもしれない。
その日、図書館にサトシの姿はなかった。
少し寂しい気持ちで図書館を出ようとすると、雨が降っている。
「傘、返すのが遅くなったね」
振り向くとサトシが傘を差し出している。
美沙が傘を受け取ると、彼は雨の中を走り去って行った。
唖然としながら、美沙は傘を開く。
「えっ…?」
驚きで声を失う美沙。
『アイシテル』
傘の裏に太マジックで書かれた幼稚な字を見て、
美沙はクスッと笑い、同時に瞳から涙が溢れた。
●しなやかな曲線
「傘に書いたラブレター……か」
「ロマンチックだろ?」
サトシと美沙は、ホテルのベッドに横たわっている。
その後、美沙とサトシは晴れて付き合うことになったのだ。
「君とつき合うことになるなんて……」
サトシは美沙の髪に触れ、キスをした。
美沙の唇を塞ぎ、緩やかに舌を絡める。
サトシの手は美沙の細い腰を這う。
スカートを脱がせると、ストッキングに包まれた美脚があらわになる。
うっすら筋肉の線が見える太ももに、すらっと伸びた長い膝下。
サトシは「おお……」と静かに感嘆の声をあげた。
美沙を全裸にすると、手の平で執拗に肌の感触を味わうサトシ。
「恥ずかしいよ……」
それを聞き、美沙の秘部に指を潜り込ませるサトシ。
「あ……」
美沙をうつ伏せにし、彼は脈々と溢れ出る愛液を指ですくいあげる。
そしてトロみのある液で、
太ももからふくらはぎまでスーッと一直線に線を描く。
この甘美な蜜で、君の脚を濡らしてしまいたい……。
もはやサトシは、美沙に夢中だった。
------------------------続く----------------------------
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