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官能小説:『幼馴染』  第2話

2011年04月08日 23:57

●偶然の再会

  熱気と雑草の匂いが入り混じる湿った空気の中、
  祐二はバス停で一人、バスを待っていた。
  額からしたたる汗を手でぬぐいつつ、
  顔をしかめてバス路線図を眺める。

  すると視線の先に、白いワンピースを着て
  白い日傘を差した女の姿が浮かびあがった。
  アスファルトから立ち上る熱熱気がゆらゆら漂う中で、
  それはまるで蜃気楼のようだった。

  女がバス停で立ち止まる。
  甘い香りが、ふわりと祐二の鼻先をかすめた。
  女は日傘を傾け、祐二のほうへ顔をのぞかせた。
  祐二は思わず息を飲んだ。

  「瞳ちゃん?ひとちゃんだよね?」
  「祐……くん?」

  祐二は、恥ずかしそうに笑った。

  「里帰り?」
  「うん、遅い夏休み
  「それにしても祐ったら、久しぶり過ぎ」

  瞳は祐二の幼馴染で、初恋の相手だった。

  ●近づく距離と触れる唇

  そしてこの再会がきっかけで、
  祐二の帰省中、二人は毎日のように会うようになった。

  ある夜二人は、瞳の部屋で月見をしながら、
  並んで赤ワインを飲んでいた。

  「なんか、満月の夜って酔いがまわるの早いわ~」
  祐二は、ワインで湿った瞳の唇を眺めていた。
  瞳の唇は、少し上向きでいつも何か言いたげだ。
  その思わせぶりな形が、吸いつきたい欲求をあおる。

  「ひとちゃん……」

  瞳が振り向くと同時に、祐二は瞳の唇をふさいでいた。
  柔らかい感触が心地よく、
  自然と瞳の口の中に舌をすべりこませた。

  瞳は素直に受け入れ、
  逆に舌先で祐二の唇をなぞり挑発してきた。
  腰を引きよせ、瞳を抱きしめる祐二。

  「ん……」
瞳から艶っぽい声が漏れる。
 祐二は瞳の体の線をなぞりながら、下半身へと手をのばす。
  「あ……」
  瞳の声に刺激され、祐二はスカートをまくりあげた。

  ●数年前のラブソング

  祐二の指がショーツ股間部分にふれる。
  すでにしっとり湿っていた。
  その間も、互いの唇は唾液を垂れ流しながら絡み続けた。
 祐二は湿った部分をかき分け、直にぬめりを指で絡めとる。

  「すごい、ひとちゃん……
幼い少女だった君が、こんな風に濡らすなんて……」
 「祐こそ……」
  瞳は祐二の隆起した部分をジーンズ越しになでる。

  興奮が高まり、
  祐二はついに瞳の潤っている部分に指をすべりこませた。
  「祐……ダメ……」
限界に達した祐二が、瞳をベッドへ誘おうとした瞬間だった。

  「♪……」

  数年前流行ったラブソングの着信音が響く。
  静かに祐二の手から離れる瞳。

  「ひとちゃん?」
 
  瞳は、鳴り続ける携帯電話の入ったバッグを急いで肩にかけると、何も言わずに部屋から出て行った。
  取り残された祐二の耳から、着信音が遠ざかっていった。

------------------------続く----------------------------

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