【妹ラブ！】し明後日のアイドルはチミだ！

「実はお忍びでこの街を廻ってたのよ」
コーヒーを美味しく呑みながら、アイドルちゃんが言う。
つまり、追っ手は芸能事務所かなんかの関係者だったのか。
「へえ～。お姫様みたいですごいのだっ」
ファンとしてこれ以上ない距離で近付いてる妹は、アイドルちゃんの話しに神経を研ぎ澄ましているようだ。
「ふふ。ふたりは仲の良い兄妹だね。羨ましいな♪」
「どうぞどうぞ。こんなお兄ちゃんならいくらでもっなのだっ！」
おいおい。
「わあい。いただきます！お兄ちゃん♪」
抜群の演技力でアイドルちゃんは甘える。
「我が兄がアイドルちゃんの兄なのだっ！光栄なのだっ！」
妹はいつになく笑顔である。ちょいと嫉妬して欲しかったなあ。
トゥルルル……
電話。
がちゃ
「お母さんよ～。今日は帰りが遅くなってしまうから、ご飯は頼んだわよ～」
「そうなんだ。すごいお客様来てるから、お母さんに見せられなくて残念なのだっ」
「あらあら♪それは残念ね～。我が息子も罪な男よね～」
「お兄ちゃんの新しい友達の女の子って、なんでわかるのだ？」
「……。ん。なかなか取引先のひととあえない非常事態でね。帰ってこれないかも。留守をお願いね」
がちゃん。
なんかあわただしそうだ。
「今日はいつまで居られるのだっ」
「抜け出しお忍びだから、終日居られるよ。てか、泊めてくんないかな」
「はわわわっ。もんろちなのだっ！宜しくなのだっ」
なんか勝手に話しが進むなあ～。
「というわけでお兄ちゃん！とびきりの料理のために買い出しを命ずるのだぞっ♪」
父さんぽい仕草で妹はぶたさん貯金箱を出した。
どんだけ熱心なんだか……

ちゃんちゃんちゃ～ん♪