再び、渡辺淳一

東京への新幹線待ちの書店で、渡辺淳一の「告白的恋愛論」を買って、車中で一気に読んでしまった。

このように書くと、新年から読んでいる本は渡辺淳一の物ばかりに思われるかも知れませんが、途中では結構固い本も読んでいますから、ご安心ください。



「告白的恋愛論」は、渡辺先生が、「かつて関わり、恋して愛して学んだ、十人の女性との回想録」だが、よくもここまで書いたものである。
1 純子の章
2　姉妹の章
3　澄子の章
4　千景の章
5　真由美の章
6　裕子の章
7　貴子の章
8　お市の章
9　久美子の章
の９章建てであるが、「姉妹の章」で二人姉妹との関係を書いているので、都合10人。

このサイトの女性諸氏の書かれるウラログに比べれば、際どい直接的なセックス描写ではないので、その向きがお好みの方にはお薦めできない。


最終章の「久美子の章」は、まさにあの「失楽園」の世界。
驚きました。先生自身が読者としての久美子と出会ってからの悦楽の中で、自分たちと安部定事件をすり合わせて進行していたんですね。


「失楽園」が日経新聞に連載されていた頃、通勤電車やバスの中で、真面目な顔をして、日経の最終面を読んでいたサラリーマンが多かったこと。そして皆が、何を読んでいるのか分かっていて、ニヤニヤしていたことを思い出した。
もう一度、「失楽園」を読み返すことになりそうだ。