これがわしの生きる道

日常で、閃く瞬間がある。



探していたものは、これだ、という感覚。



そんな瞬間、そうは訪れない。




だからこそ、その瞬間が到来し、それを過たず捕獲、解釈できた際の喜びは大きい。





日常生活における宝石、と呼べる、そんな特別な、瞬間。






わしに、今日その瞬間が訪れました。





前触れもなく、唐突に、わしの無防備さをあざ笑うかのように。






これだ!!






と分かった瞬間、感動しましたね。




いや、体が震えました。





そうです。わしは、見つけたんです。







遂に。









何を････







そう。








わしの生きる道を。








見つけました。









とうとう、見つけました。








これこそが、わしの探していた生き方だったんです。












わしは、こんな風に生きたかったんです。









答えは、思わず身近なところにありました。









そう。驚くほど、身近に。

















デジの方にだけ、特別にお教えしましょう。















わしが見つけた、そう、







生きる道。




















言い換えるなら、それは、理想の生き方と言っても良い。















わしも、こんな風に生きたい。








こんな風になりたい。








心からそう思います。










では、その、わしの生き方の理想を、






そのまま









体現しているのは････


















































コーヒー。







































そう、貴女が今朝飲んだ、コーヒー。





















更に細かく言うと、コーヒー豆。

















わしは、コーヒー豆に自分の理想を見ました。





























コーヒー豆になりたい。




























心からそう思います。
































説明しましょう。





















人は朝起きて、お茶なりコーヒーなり、何かしらカフェインを摂ります。摂らない人も勿論いるわけですが、大多数はカフェインで喝を入れて一日を始める。












わしは、それがコーヒーのことも、緑茶のこともあります。どちらも好きなんです。










で、デスクワークの際は一日、コーヒーか緑茶をすすりつつ仕事をしています。












しかし、始まりがあれば終わりがある。












コーヒーでも緑茶でも、淹れた後始末をしなければならない。





コーヒーならフィルターに残った豆。





緑茶ならお茶っ葉。














わしが気付いたのは、両者の決定的な差なんです。









出なくなった緑茶の葉は、ただの生ゴミです。それは、稀に食べる人もいますが、それは余程のレアケース。



通常、ただの生ゴミとなって処理されるのみ。






しかし、しかししかし。













コーヒー豆はどうですか。










淹れた後の、フィルターに残ったコーヒー豆。












あれは確かに生ゴミなんですが、しかし････










そう。芳香剤になるんです。






おまけに脱臭効果もある。









つまり、ゴミでありながらゴミでないんです!!










世の中にこんな素晴らしいものがありますか?












用済みとなって、尚人の役に立つ。








泣かせる献身振りじゃありませんか。















わしは今日、そのことに思い至り、これこそ自分の求めていた生きる道だと、直感した訳です。













これがわしの、生きる道。













井上陽水も真っ青です。















銀のスプーンにゃなりともないが、





せめてなりたやコーヒー豆。






それがわしの、生きる道･･･