ﾊﾗｽﾒﾝﾄｼﾘｰｽﾞ★K野兄さん・・・

お料理が運ばれてきて、私は器を楽しみながら口に運んでいた。
秋の味覚というか、ごぼうの酢漬け、なすの蒸し物、
栗とかぼちゃの和え物、そして名物のカニ、と淡白な味が舌にやさしい＾＾

お料理を楽しみながら、旧団体の話、その後の話、
Ａ・Ｂ団体に分かれてからの話と、話は進む進む。

一番の古参であるＴ原さんは、やれ誰それは金を着服していただの、
やれ誰それは好ましくない勧誘をしていただの…
「そこまで言って委員会」のノリで20年前からの話をこれまたどんどん＾＾；


やがて聞く一方だったＯ西くんは遠慮がちに声を出した。
「あのう、Ｋ野弟さん…。聞いていいですか？
Ｋ野兄さんはどんな人だったんでしょう？」。

『兄は、おとなしくて暴力が大嫌いで情の深い男ですよ。
争いごとが嫌いで誰かと口喧嘩ひとつした事もない。
…私は兄が暴力だなんて今でも信じられないくらいです』と
Ｋ野弟さんは静かに話した。

「I宮があまりにもひどいからだよ。
Ｋ野兄さんがあんな事したのは。
くだらない事で何人も逮捕されて、なかには自殺を図った人や精神状態が悪化した人もいるんだ。
Ｉ宮を許せなかったんだろう。
どうしてだろうな？Ｋ野兄さんみたいな人が気に病んで、
Ｉ宮みたいなのがデカイ顔して（TT」と
T原さんは涙を浮かべて声を震わせた。

Ａ垣さんも『K野兄さんの事は僕も覚えている。繊細な人だった。
思いやりがあってよく誰かの相談にのってあげていた。
彼に救われた人は大勢存在するよ』と話していた。