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抱いて!ペニスで魂を奪って!

2006年03月21日 00:33

抱いて!ペニスで魂を奪って!

この小説家他人事みたいに平気で自分の内臓をさらけだす

危ない外科医だね

オレとあまり似ているんで 自分のクソをみせつけられているような気がした 

ビートたけし


いつ買ったんだかも覚えていないレンタル落ちのヴィデオテープ

恐らくストーリーも知らず、タイトルの響きとジャケットのオンナノコが気になって買ったと思ふ

買って1回くらいしか観てないですわ

ほとんど内容覚えていませんでしたし

最近また観直したらジャケット裏にキタノさんのコメントが書いてありました

なんと言うか。。。

ワタシにはとにかく凄いものが伝わってくる作品だったかなぁ。。。

アメリカ文学界のアウトサイダー(らしいね。。。)ブコウスキーの半自伝的作品


「町でいちばんの美女~ありきたりな狂気の物語~」(1981年イタリアフランス映画
原作:チャールズ・ブコウスキー
出演:ベン・ギャザラ オルネラ・ムーティ
監督・脚本:マルコ・フェレーリ


「何故オレの横に?」

「さあね ブ男だからかも」

「君は美人だね」

「多分」

「町でいちばんの美女だ」

「多分 本当に美しい?」

「美しいっていうより強烈って感じだね」

ロサンゼルス 

SEXアルコールで身を持ち崩した者達が集まるベニスビーチ

出逢いウエストエンドバー

飲んだくれの作家チャールズ(ベン・ギャザラ)の横にキャス(オルネラ・ムーティ)という高級娼婦が寄り添ってきた

そしてキャスは止める間もなくいきなり長いハットピンを頬辺りへ真横に突き刺した

「これでも美しい?ねぇ どう思う?」


キャスは恐らく飲酒を許される年齢には達していない

身体全体がSEXと神秘のベールに包まれたキャス

彼女の髪は黒く長く絹のようで 身体の動きとともに揺れ 渦を巻いた

とても機嫌がよいか 悪いかのどちらかで その中間がなかった

愚鈍な人間には彼女は理解できない

気違いと呼ぶ者もいた

男達にとっては彼女は単なる性の玩具

彼女正気であろうがなかろうが所詮どうでも良いこと

しかし彼女は頭が空っぽな娘ではない

身体なり心なり傷ついた者が居れば彼らを思って深く悲しんだ

この世に存在する 伝わってくるものがない上っ面だけの美しさを毛嫌いした

そう キャスは ただ他と少し違っていただけ

彼女は狂気に近い 狂気と呼ばれる性質を持ち合わせていただけ

チャールズはキャスと出逢い 失いかけていた創作インスピレーションを取り戻す

キャスもチャールズに安らぎを見い出した 

チャールズがこれまで見た女の中で唯一 見かけの美しさだけではなく 謎めいた風をも運んできたキャス

別れは当然のごとくやってくる


娼婦の皮をかぶった天使 あまりに低く飛ぶものだから 地面にすれて 引きずられて死んだ


町でいちばんの美女と町でいちばんのブ男の物語

この作品はチャールズも相当なろくでなしだけれどオンナ達も強烈。。。

13歳の家出娘、野獣のようなセクシーなオネエさん、オネエさんのご近所に住むとってもふくよかなカラダつきの未亡人、チャールズを裸で誘惑する少女etc

キャス意外にも何人か出てくるんだけれど、決して美しくなくても、自分の欲望に正直であるってこんなにも強烈に輝いているんだなぁ

と圧倒されます。。。(笑)

ハナシは淡々と進んでいきますが、画面には表現されていない凄いものが伝わってくるんです

行間の表現がとてつもないと思う。。。

決して多くは語られていないけれど、表情とか仕草で、それ以上の激情が伝わってくるんですよねぇ

キャスがどうしてだらしがなく、ブ男で、飲んだくれの女ったらしのチャールズに安らぎを求めたかワタシには痛い程感じました

彼女は自分の美貌が憎くてしょうがなかったんですよ

自分には美貌しか取り得がないって思われていたのが、本当は苦痛苦痛で仕方なかったと思う

だから、いきなり大きなピンを頬に貫通させてみたり、首を傷つけてみたりしたんですよ

大抵の男達はそんな彼女自身の心には近づきたくないし、関わりたくないって思い、彼女の身体だけを求めたと思います

でも、チャールズはそんなキャスを見て、美しいだけじゃない奥深い何かがあるキャスの心と身体の虜になり、苦しくて、哀しくて、腹立たしくて、そして、愛しい気持ちが一揆に涌いてきてインスピレーションを受け、彼女の存在が逆にチャールズを救ったんです

キャスは大きなピンを頬に刺した時のチャールズの反応を見て、彼の奥行きのある、本当は美しいものを持っている彼を感じてそこに安らぎを見つけたんですよ

これこそラヴストーリーでしょー!

ワタシはそう思う!


この作品のヴィデオ自体は廃盤になっているし、日本での上映権もないからレンタルでみつけるしかないと思いますけれど、「町でいちばんの美女」の原作はまだ出版されてます

ワタシも今読んでいますけれど、短編集なのでとても読みやすいです*^^*

けれど内容はとてもディープなので尋常な精神しか持ち合わせていない方にはお勧めしません。。。

以下、目次だけでも凄いデス。。。

町でいちばんの美女
精肉工場キッドスターダスト
テキサス売春宿
15センチ
ファックマシーン
気力調整機
女3人
チキン3羽
10回の射精
なかなか交尾できない12匹の空飛ぶ猿たち
25人のぼろをまとった浮浪者たち
聞いて損はない競馬の話
もう少し競馬について
あるアンダーグラウンド新聞の誕生と死
慈善病院での生き死に
ジームズ・サーバーについて話した日
おえらい作家たち
人魚との交尾
充電のあいまに

政治ほどくだらないものはない
尻のでかい母親
かわいい恋愛事件
女が欲しい
ビギナー
淫魔
レイモン・ヴァスケス殺し
飲み仲間
白いあごひげ
白いプッシー

「ありきたりの狂気の物語」って短編集も出ているみたいですけれど、まだ手にしていません。。。

一応、小説なんですけれど、エッセイみたいな感じです
でも、ここまで正直な「文」を書かれると読んでる方も何故か妙に体力使います。。。

でもどうしてこのろくでなしが、オンナにもてたのかわかるような気がするんですよねぇ。。。

ちなみにキタノさんは自分に似ているとコメントしていますが、それはワタシにはわかりません。。。(笑)

このウラログへのコメント

  • JUN 2006年03月21日 03:25

    今度はブコウスキーかぃ^^;なつかしひ♪
    作家専業になって少しした頃のだねぃ☆

  • じぶ 2006年03月22日 19:52

    オルネラ・ムーティ、うーん、懐かしいね。エキゾティックな美女だったなー^^

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