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過敏すぎる子・弐

2008年10月03日 22:33

アキラから電話がある

「あのよ 頼みてえことあるんだけど」

挨拶もなしにいきなりか...

「なんだ?」

「あのよ 怜のことなんだけどよ」

「ふむ、」

「あいつ友達いなくてよ」

「ふむ」

「相談相手とか話し相手とかいないんだよ」

内心 思う そらお前があんな態度とってたら

出来るもんも出来んわな

「確かにいなさそうだな」

「それでよ おめえ 相談相手になってくれねえか?」

「わたしがか?」

「おう なんか おめえには気を許してるみてえだし」

しかし この男は おめえとかてめえとか

目上に対する言葉使いとか知らんのか?

しかし 彼女のことは一応心配してるんだと感心はした

が、次の言葉でそれは見事に打ち消された

「でよ、メッセンジャーとかで相談乗ってよ

ログ 全部送ってくれ」

「はい?」

「何言ってるが把握したいんでな」

「それ知ってどうする?」

「変な考えしてたら 潰しとかないといけねえからな」

「それ 卑怯じゃない?」

「卑怯もあるかよ 彼女の考えは知っとくのが彼氏の役目だろ」

言ってることは 一見立派だ

しかし 彼の場合 自分に都合悪いことはつぶし

都合いいようにしたいに他ならない

しかし 報告するしないは別にして

彼女に同情の余地は多々ある

ここは 一応は引き受けよう

改ざんは得意だし 

そして 怜とのメッセのやり取りが始まった



最初は普通に相談で始まった

どうしたら アキラを怒らせないで済むか

その方法はわかってはいる

しかし それを実行するのはつらいと

方法は簡単 アキラ以外を見ない

そしてアキラの言う事以外はしない

つまりはアキラ専用の人形になればいい

ただ それは19の子には酷すぎる

「そんなに嫌なら 別れてしまえばいいんじゃ?」

「それが出来ればいいんですけど」

「何か問題でも?」

「あの、その、」

「言いにくいことなら言わないでいいよ」

「そうなんですけど.... あの笑わないでくださいよ」

「ふむ」

アキラさんしか知らないから....」

「ふむ つまりは君の中で男はやつが基準なんだ」

「はい... ただ 最近 気づいて」

「なにに?」

アキラさんとは違う男の人もいるんだって」

「そら そうだ ああいうのばっかだったら世も末だ」

「でも わたしは アキラさんしか知らないから」

「彼のこと好きかい?」

「好きだと思ってたんです でも最近わからなくて」

オフ会視野が広がったんだね」

「そうかも、でも わたしはアキラさんしか知らないから」

この子の会話で思ったのは

何もかもがアキラという男で世界観が構成されている

自分からは動けない 動く勇気がなんだなと思った

「ひとつ 滅茶苦茶な提案なんだが」

「はい?」

「あんた 誰でもいいから 抱かれて来なさい」

「えっ? 」

「やつしか知らんから比較するのものがないわけだ」

「はい」

「じゃ 比較するものを作ればいい」

「で、でも...」

「ばれないような相手を探して一回きり」

「一回きり....?」

「そう それでもし やつが恋しく思えたら

やつの元に戻ればいい そうでなかったら別れなさい」

「で、でも」

「じゃなきゃ ずっとこのままだ」

「でも、わたしなんか相手にしてくれる人なんて」

「いや、いると思うよ」

「えっ?」

「そりゃ 留美みたく色気過剰じゃないが 結構いける思うよ」

「嘘....」

「嘘ではないね」

「でも わたしの中に...」

「中に?」

「いやらしい子がいて そんな姿見られたら嫌われる」

「いや 男は喜ぶと思うが」

「でも すごいいやらしいんです」

「あの感度だ 予想は出来るけど」

「だから...」

「わたしは好きだけどねえ」

「えっ?」

「そういう子好きだよ」

「やがみさんは わたしみたいのでいいんですか?」

「別に問題ないと思うけどね」

「本当に?」

「うん、話がずれたけどね」

「はい」

「とにかく 誰かに抱かれちゃいなさい」

「はい、わかりました 頑張ります」

「うんうん 頑張ってね」

そして 彼女との会話が終る



アキラから電話が来る

「あのよ 今日 怜と話したか?」

「ああ 今 話してたよ」

「じゃあよ ログ送ってくれよ」

「おう」

今の会話を送れるわけがない

「あ、ちと ボロからメッセが来た」

「そんなの無視して送れよ」

「アホか あんた うちの知人減らす気か?」

「そうじゃねえけど」

「ちょっと 用件だけ聞くから待ってろ」

「おう」

実は メッセなどない

会話をしているふりをして ログの改ざんに入っていた

「そういえばよ」

「うん?」

「怜は やっぱいいぞ」

「そうか」

「あの身体は最高だよ」

「ふーん」

オフの後 ホテルに行ったんだけど」

「行くいってたね」

「不満そうな顔しながらよ 濡らしてるんだよ」

「そりゃ すごいねえ ホテルで頑張ったんだ」

「それがよ ホテルに行く途中に胸を揉んでよ」

「ん? 待て」

「なんだ?」

「行く途中って?」

タクシーの中でだが」

「なに?」

ブラウスボタン外して 直に触ってよ」

「ふむ」

「でよ、スカートめくってパンツを触ったらよ どうなってたと思う?」

「濡れてたとか?」

「そう それも半端じゃなく濡れてるんだよ」

そら 濡れてるだろうなと思った

「俺とするって考えただけで あんなに濡らしてるんだぜ」

「すげーな それ」

すまん 彼女が濡れさせたの君じゃないから

「なんだかんだで あれは 俺のものだなと思ったよ」

すまん お前以外に抱かれろって煽っちゃったよ

「よし 会話終った 今から ログ貼り付けて送るよ」

「おう わるいな」

そして ログを送信した



夜中に怜から電話が来た

「もしもし..」

「やがみさん 助けてください」

「こんな時間になに?」

「今日 家族出かけてて一人なんです」

「えっ?なんか不審者でも来た?」

「いえ そうじゃなく...」

「なに?」

アキラさんが それを聞いて」

「ふむ」

「電話越しに.....  しろって」

「えっ 何をしろと」

「ひとりエッチ....」

「はぁ?」

「助けてください」

「助けろって何を?」

「一人じゃ心細くって」

「あのさ 聞いててくれなんて言わないように」

「だめですか?」

「あのさ 冷静に考えてみな」

「はい」

「やつに言われてひとりえっち始めるとする」

「はい」

恥ずかしい声なんか出るよね」

「はい」

「それを わたしにも聞かれるってことだよ」

「あ....」

「それでいいの?」

「やがみさんに嫌われちゃう」

「いや 嫌いにはならないけど 君が恥ずかしいでしょ」

「はい」

「そういうことで力にはなれないね」

「やがみさん....」

「あいつも困った奴だよな」

「勝手なお願いいいですか?」

「なに?」

「最初だけ聞いててください」

「ふむ」

「勝手なことですみませんけど あの...」

恥ずかしい声が漏れたら切ればいいんだね?」

「はい...」

「わかった」

「すいません...」

「災難だね 君も」

「....」



そして どうやら家の電話にかかってくるらしい

電話がなる

『もしもし...はい..大丈夫です

はい... えっ ここで?



................



はい 脱ぎます』



ガサゴソと音がする どうも服を脱いでるらしい



『脱ぎました... 何も...はい... 胸...』



電話越しに 息が荒くなっていくのがわかる

そろそろ切ろうかと思ったが 何となく 

もう少し聞きたくもなったので切らずにいた

なんか 悪魔の羽が背中で羽ばたいてる気が



『はぁ はぁ んっ... だめ... 』



くちゅくちゅと音が聞こえる



『はぁっ ああぁ....』


かなり煮詰まってきてるなと思った

さすがに 切らないと悪いなと思い 電話を切った




そして 2日後 怜からメールがくる

『金曜日 新幹線チケットが取れました』

そして 数時間後 電話が来た

「どっか行くんだ?」

「はい 東京に」

「ふーん 何しに?」

「会いに行きます」

「ほう 誰に?」

「やがみさんに」

「はい?」


急展開に めずらしく驚いたわたしだった

このウラログへのコメント

  • 琴音 2008年10月03日 23:10

    いつもながらテンポのいい文章ですね。
    続き楽しみにしております。

  • うさぎ 2008年10月06日 00:49

    今更ですが…

    う~ん…複雑…。

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