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やよい三月 やっぱりしぶとい女

2008年08月22日 00:13

さて、日が開いてしまいましたが、もう一人の実在のYayoiのエピソード。やよいという、ひらがなの優しい印象を与える、高校吹奏楽部の二級上の先輩です。

彼女は、老舗の旅館の娘で、腰までもある長い髪をキリっとまとめた涼しげな容姿で、アルトムードある声の、憧れの先輩でした。今でも憶えているのが、いつかの朝礼で長く退屈な校長の訓辞の最中、貧血を起こしたやよい先輩がななめに倒れ、反応した男子生徒がすんでの態勢で受け止め、先生に抱きかかえられて、保健室に行った日のこと。

私は見た訳ではないのに、先輩の髪が揺れ、セーラーのリボンが舞って落ちる光景を何度も想像してものです。決して擬似恋愛していたとかではなく、頑丈だった私は、倒れるオンナに憧れるお子ちゃまだったので、幾度も体育館の事件を反芻していたのでしょう。

さて、話しがズレていますが、そんな優しい先輩は、私を含め後輩には慕われていたのですが、何故か同級の先輩たちからは離れていました。
でも、決してハブにされているのではなく、遠巻きに付き合っているというか、、、学年も違ったので、真相は分からないし、どう説明して良いのは迷いますが、嫌われていた訳でもなかったようです。それをやよい先輩がどう想っていたのかは知りませんが、個人練習のとき、音楽室を出た木蔭で、姿勢よくフルートを吹く姿には、独りが似合ってもいました。

何故、どんないきさつで、先輩と私が、定期演奏会の広告集めで、市内の主だった店を周ることになったのかは、すっかり忘れましたが、とにかく二人で、何日もお金や原稿を集めに歩きました。そのとき、やよい先輩は聞いてもいないのに、雑魚のような一年生に突然、付き合っている彼の名前を告げたのです。でもそれを聞いて、驚き「え?だって・・・・」と口ごもってしまいました。同じく3年生の、サックスを担当する私からすれば、気障な先輩。その上、彼には。。。
「そう。彼はミコちゃんと付き合ってるのよね・・・」
二年のフルートのミコ先輩は、目つきが鋭い、美形ともいえなくはないけれど、制服体のラインが出るよう、加工したり、髪の毛も校則違反している、いわゆる女子力の強そうな娘。でも、学年トップらしい成績に、先生はなんでも暗認していたそうです。何かと目立つ上に、その彼氏と部室でベッタベタしていて、あまりいい印象のない人。その延長線上で、私は彼も尊敬できなかったのですが。
「あのね、ミコちゃんと今は付き合ってるけれど、本当は私の方が好きなんだって。」

最近まで中学生だった私には、全てがショックで、何も言えず、ただ頷いて並んで歩いてました。
「ヤヨイちゃん(仮称ですが)には、わかんないだろうけれど、彼もミコちゃんを表向きで大事にしてる分、私といるときは、甘えて素になれるって。彼はいい人で大人だから、ミコちゃんを傷つけないため、我慢してるの。本当を知っている私は我慢してるのよ。」
う~、わかんない。彼とミコ先輩は昨日なんて、部室でポッキーキスまでして、ギャーギャーしているのを一緒に見ていたやよい先輩の言葉が。

「もうすぐ、うちら部活引退だから。そうしたら、はっきりしてくれるから。
。。。ヤヨイちゃん、内緒ね。なんか、変な話したら喉渇いたね。こっそりアイス食べて戻ろう★」

長い話しにしないで、この辺で記憶を断ち切りますが、結論からいけば、引退しても、彼(先輩ですがね)は、受験も何のその。推薦を早々決めていたらしく、コンクールを終えた秋までも出入りしていて、その間も、ミコ先輩の、鼻にかかった甘え声に答え、イチャイチャしていたのです。やよい先輩は、定演後、普通に引退したので、その後の彼らの姿は見ていないものの、私は悶々。
「ど~なってんじゃい!」とムカついてました。
そして、つい仲の良かった子に、禁句を破ってやよい先輩のことを、決死の告白だと話したら
「あ、知ってるよ。やよい先輩が、いっつも話してたもん。」

は?
聞けば、一年コの大半は、やよい先輩自らの「内緒ね」で知っていたとか。半年、ささやかながらも悩んだ私の正義は、崩れました。

彼らの堂々たる仲をみていたら、多角的に考えなかった自分が見えてきました。
もしかしたら、やよい先輩は妄想癖があって、思い込んだ勘違いを、後輩に語っていたのではないかと。。。
その話題に関しては、悪い意味でなく、そう感じた私らと
先輩崇拝の数人が「そんな訳ない。先輩、上手く騙されて可哀想なんだよ!」と力説する派に別れました。

真実は未だ分からないのですが、ミコ先輩は、東京6大学にも入れるくらいの成績だったのに、彼を追って一年後、名古屋の名も無い大学にゆきました。その前に、やよい先輩は、尾張の短大に進学していました。県外に散った先輩の噂は、かすかで真実かもわからないけれど、自分のレベルを格段落として、彼氏を追いかけたミコ先輩は、全く別の彼とすぐに同棲したと聞きました。
そして、短大を出たやよい先輩は、旅館の跡取りとなるお婿さんを最初の見合いで決め、あっさり21才で結婚してました。

名古屋で、何があったのか、全く何もなかったのか。
どっちにしても、このやよいもまた、したたかでしぶとい女でした。

弥生とやよいの、実在する女性の横顔、いかがですか?
どっちも怖い私は、ヤヨイと名乗ります。これからも。。。。

このウラログへのコメント

  • ヤヨイ 2008年08月22日 08:43

    > ともさん

    わからない人は真っ当だと思うで。ともさんは、変な人と関わらんで良かったね。

  • ヤヨイ 2008年08月22日 08:45

    > 陽一さん

    そっか。男の責任的な実害は怖いもんな。多分、男女の比でいけば、女はやよい先輩のが怖いと思うわ。しかも妄想と決め付けられもしない。割切りセカンドを守ったしぶとい女性だったのかも。

  • ヤヨイ 2008年08月22日 21:52

    > 丘紫さん

    そこに拘ってくれるは、さすが丘紫さん!「言わないでね」が「皆に広めて」という姑息な他力本願だと気が付かなかった自分もいろいろ嫌な目にあいました。ウラには嫌な話ばかり書く私も駄目な奴

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