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奴隷状態の幸福

2006年02月11日 01:51

奴隷状態の幸福

痛みは何故恐怖を呼ぶのだろう 
恐怖が何故か心地よい

『彼は貴女に一度つけたら取れない物をつけさせたいのよ 

リングは切断できる 

だから別の方法を望んでるわ 

決定的よ 

方法は言えない 最後の日まで』


「O嬢の物語」(1975年フランス西ドイツ映画)
原作:ポーリーヌ・レアージュ
監督:ジャスト・ジャカン
出演:コリンヌ・クレリー ウド・キア アンソニースティール ジャン・ガヴァン クリスチーヌ・ミナッツォリ


恋人ルネ(ウド・キア)に現実とはかけ離れた「館」に連れて行かれた

車を降りる前、後ろ手に縛られ目隠しをされ、ブラジャーストラップを切られ、二人の男に挟まれて邸内に入る

目隠しを外され、何もない部屋に残された
30分、1時間、それとも2時間・・・
トップレスの女二人が現れるまで一世紀も待たされた気がしていた

二人に名前を尋ねられた
イニシャルにした
“O”だと。。。

衣服を脱がせられ、フックのついた首輪と腕輪をかけられた

そして後ろ手にして4人の男達の前に連れ出された
その中にはルネも居た
しばらく眺め廻され、そして4人の自由に回された。。。

その後、背よりも高い銅像から垂れ下がっている鎖に腕輪のフックが繋がれ鞭打たれる

“O”は4人の男に弄ばれて歓ぶ
情けない気持ちと甘美な思いが交差する。。。
ルネは“O”が恋人に従属しているという証に他の男達にも与える

それがルネと“O”の愛

その夜からピエール(ジャン・ガヴァン)が“O”の従僕になった

脚を組んではいけない
男の顔を見てはいけない
いつでもどこでも捧げられるような服装でいなければいけない
これが「館」での規則

時は止まった 草が黒になる
昼も夜もなく光が消えることはなかった

「館」での生活
これは“O”が肉体的にも精神的にも改造されていく過程での一つの出来事でしかない

“O”は誰も達したことのない状態まで堕ち、誰も手にしたことのない幸福を手に入れる


フランス匿名作家ポーリーヌ・レアージュ文芸エロス映画化
監督は「エマニュエル夫人」も手がけているジャスト・ジャカン

「O嬢の物語」はフランスでは「星の王子様」に次ぐベストセラーだとか
全然読者層違うよーな気がするんですけれどね。。。(笑)
ちなみに日本では澁澤龍彦氏訳で出版されています
私「O嬢の物語」読んだ事ないんですけれど、澁澤さんの「世界悪女物語」はかなりお気に入りなので(ちなみに解説は美輪明宏!!この時点でいいでしょ!?)是非読みたいですワ

私の周りで「O嬢の物語」読んだ人はみんな「イイ!」って言ってますねー
映画より幻想的な世界観やO嬢の体験と成長を一緒に味わえるような感動があるとか。。。

原作読んでから映画観ると、期待ハズレでがっかりする事多いけれど、映画観て原作読むのはそんな期待ハズレないですよねー

「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできない」寺山修司
ですからねー*^^*

ちなみにポーリーヌ・レアージュ原作の「上海異人娼館 チャイナドール」は寺山修司氏が監督しています!
O嬢と「O嬢の物語」でも登場するルネの異父兄弟ステファン卿(寺山修司版ではクラウンキンスキー!)とのストーリーだとか
これも観たい。。。!!

んで「O嬢の物語」の映画のハナシ。。。
「イヤらしさ」を期待して観ると肩透かし喰らうかも。。。
“O”は痛めつけられ、肉体改造を施され、彼女のカラダは破損してゆくのですが、それが、美しさや芸術志向に描かれているから興奮できるような「エロ」として観るとちょっと違う。。。

でも女優さん達のヌードは綺麗に撮られているから「瞳の保養」や芸術と化した「SMの世界」を堪能はできました

“O”役のコリンヌ・クレリー(名前が覚えられない^^;)は朝靄の中からとつと現れた天使のような印象
そして私はみょ~にバストにばかり目がいってしまいました(笑)
だってキレイバストなんですも~ん☆

そして、私は、この作品では男との絡みよりもレズシーンのが好き!
女同士での絡みやSMシーンは、日本には無い、日本人ではなれない独特の世界感がありました


“O”は男達の中で奴隷としてどこまでも堕ちて、それを受け入れていくけれど、実は、男に服従しながら、男を信じがたい程虜にしていたと私は思いました

“O”は獲物を追い、たちまち捕えてしまう鷹のような神々しい他の世界の創造物になっていったから。。。 

このウラログへのコメント

  • JUN 2006年02月11日 02:36

    焼印。。。牛カモwww
    くれリーは007むーんれいかーの前半にも出てたけど、他にも出てるのかなぁ?

  • 吉☆ 2006年02月17日 06:41

    コメントありがとう
    ポーリーヌ・レアージュ
    原作を陵駕できる、映画作品は少ないですね

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