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夏の日・千恵子編(前)

2008年06月17日 21:14

夏で思い出すこと

というか 夏は実のとこ夏は嫌いだ

日焼けはする 暑い 眩しい

楽しいはずの抱き合う行為が 暑さのため

楽しさが半減するし

なによりも あの陽射しは凶器以外何者でもない



夏について思い出すのは4つ

考えたらもっと出てきそうだが

ひとつは ペテン師の夏で語ったアレ

そして 残り3つ

いずれウラログ登場予定だが

夏 飲み会の途中 抜け出して神社で...



それと これまた そのうち書く予定の

さとみ調教編にもあった

まあ 調教といっても たいしたことやってないけど



そして 今回の話

やがみ最大の被害者 千恵子

相変わらず 馬鹿だなと思いながら

ちょっと感動してしまった



夏 時々 千恵子の部屋に転がり込むわたしだった

デートとして出かけることはあるが

夏は あまり外に出たくない

もっとも 千恵子の部屋が涼しいわけではない

クーラーはあるのだが電気代がもったいない

それに 4階なので窓は開けておける

千恵子もバイトをしてるし 親から仕送りはあるのだが

家賃以外は 全て 彼女貯金している

光熱費 食費は バイト代からまかなっている

彼女は 気を使ってクーラーを入れようかと言うが

その状況をわかってるだけに

そんな出費はさせられないと思った

「ねえ やがみくん クーラー

「いや 風あるし 気を使わなくていいから」

「そう.....」

そんな千恵子を引き寄せキスをする

キス気持ちいいのだが やはり暑い

「なんか飲み物買ってくるね」

そう言って千恵子は 買い物に行った

そして なんか 大きな袋を持って戻ってくる

「こうすると涼しいって何かで読んだから」

そう言って バケツに氷と水をいれ 扇風機の前におく

気持ちは とても嬉しいのだが

彼女を虐めるのが楽しいわたしであった

「ひとつ よい?」

「うん」

電気代 もったいない思うから クーラーつけなくていいよって

わたしは言った気がするんだが」

「うん」

「その氷代とか考えたら クーラーつけた方が安くない?」

「..... そうかも.....」

千恵子は涙ぐむ

「なんで泣くかな 」

そう言って千恵子を引き寄せキスをする

タオルを氷水につけて絞る

こうやると気持ちいいし 泣くなよ」

「うん」

そうして 二人寝転がって お互いを眺める

時々 千恵子は タオルを冷やして取り替えてくれる

その手を 頬に当てる

「冷たいこの手が気持ちいいね」

「ほんと?」

「うん 千恵子の手が気持ちいいさ」

「うれしい」

しばらくして千恵子は起き上がった

シャワー浴びてきていい?」

「うん いいよ」

「一緒に入る?」

「いや いいや」

「うん わかった じゃ入ってくる

「ほい」

「やがみくん あたし頑張るから待っててね」

「ほい」

そう答えたあとに気づく

何を頑張るんだ?

まあ それはそれでいいかなと

あ いい忘れていたが 節約のためクーラーはつけない

が えっちの時は しっかりつけます

じゃなきゃ 出来ません

何分過ぎたろう 千恵子はまだ戻ってこない

長いシャワーだなと思いながら

書きかけの小説でも書くことにした



ボロ雑巾のように血だらけの学の前に歩は立っていた

そして 学を抱きしめキスをした

「いいのか...彼氏は?」

学の言葉に歩は答えない

そして パーカーの前を開いた

「なんの真似だよ」

「なんかお礼がしたいのよ」

「ふざけるなよ 俺はそんな...」

学は言葉を失った

歩はボロボロの涙を流している

その様子は尋常ではなかった

「おまえ....」

「わかってる...でも...こうしなきゃ割り切れないのよ」

彼氏は.....」

「わかってる.... 彼は...」

「いったい 何が?」

「昔 暮らしてたの....」

「......」

「愛されてると思った でも彼は他の子と寝た」

「.......」

「理由はあったのかも知れない でも許せなくって

わたしは 家を出た.......」

「そうだったのか.....」

「でも わたしも .....彼を.... ただ...」

学は 歩が何を言いたいかわかった

あまり誉められた答えじゃない

それに考え様によっては自分を馬鹿にしてる

ただ それが 歩なりに必死に考えた答えなんだと

わかってしまったから 歩のやろうとする事を止められなかった

彼氏は これを どう思うのだろう

最悪な結果になるかもしれない そうは思った

ただ 止められなかった そして拒めなかった

闇の中 二つの影が重なった



そして それを匠は 見ていた

コブシを強く握りしめながら 大きく息を吐いた



翌日 歩は そこを後にした

匠が待ち伏せするように待っていた

「いつまで ついてくるのよ」

「お前が戻るまでだ」

「わたしは 他の男に抱かれたよ」

「知ってるよ」

「そんな女だよ」

「構わないさ」

匠は 吹っ切れたように笑う

「勝手にすれば あなた大馬鹿よ」

「かもな」

匠の横を歩はすり抜けた

その顔には少し笑みが漏れていた

離れた二人の距離が少し縮まった

漠然とだが 二人とも感じていた

二人の奇妙な旅も 終わりが近づいてきた 

そう予感させる日だった



ウォーキング 9話に続く



「よし 書き終わり....」

タバコを一服してバスルームを見る

「いつまでシャワー? まさか...」

さすがに長すぎると思った

その時 バスルームの中で影が動いた

千恵子が顔を覗かした

「終わった?」

「え、ああ 終わったけど」

「書いてるみたいだから 待ってたの」

「なんで?」

その時 わたしは 千恵子の異常に気づいた

唇が青い.....

「千恵子 なんか顔色悪いが大丈夫か」

大丈夫... ちょっと頑張りすぎたけど」

「なにが?」

「うん ねえ ちょっとカーテン閉めてくれる」

「ああ」

カーテンを閉めて 振り返ると 千恵子が抱きついてきた

わたしは 言葉を失った

そして 何をしていたか理解した

「おまえ.....」

「やがみくん がんばったよ」

千恵子の体は異様に冷たかった

水風呂じゃ こんなには冷えない

だとすると.... 答えは簡単だ

大量に買い込んだ氷をいれた風呂

そこで 体の芯まで冷えるほどに

なんのために? 考えるだけ千恵子に失礼だ

全てはわたしのため....

「お前 馬鹿だよ」

「.... そうかも....」

「どうしようもない馬鹿だ」

「ごめんなさい」

「そこ あやまるとこじゃない」

わたしは 着てるものを全て脱いだ

そして千恵子の巻いているバスタオルを外す

そして抱きしめた

「体壊したらどうするんだよ」

「ごめんなさい」

「ただ 冷たくて気持ちいいよ」

「うん やがみくんの体 温かくて気持ちいい

抱きしめてキスをする

そして 床に寝転がり 何回もキスをする

どれくらい冷え切っていたのか

千恵子の体が温さを取り戻すのにかなりな時間がかかった



「あのさ 思ったんだけど」

「うん」

「氷風呂にしなくてもさ」

「うん」

「二人で水風呂に入ればよかったんじゃない?」

「えっ あ、そうかも....」

「君って やっぱ馬鹿だ」

「うん そうかも」

「愛しむべき馬鹿」

「えっ?」

「もう少し 体温戻ったら 二人で入ろう」

「え、 うんっ」

「覚悟しといてね」

「うん....って なに?」



愛しさモードに火がついたよ

容赦なく 愛しんであげよう そう思った



* 単発のつもりが 終わらなかった

 次回 水風呂編に続く

関係ないが 劇中にある 小説もどき

実際に 書いてた話 詳細は いずれ表ログで解説

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