- 名前
- けーでぃー
- 性別
- ♂
- 年齢
- 49歳
- 住所
- 奈良
- 自己紹介
- 「元」がつきますが一応プロの小説家。現在、 カムバック目指して修行中です。 そんな私...
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「てーへんだ、てーへんだ!」「ハチ!」
2020年06月07日 21:02
……って。
銭形平次、今の子らは知ってるんですかねえ。
私は小学生の頃に見てて、何を隠そう今でも、
主題歌を三番まで歌えます。ふっ。
さて本題。
ある日、布団を干そうとベランダに出た私の耳に、
「ブーン……」という重い音。もしやと思いつつ
そちらを見たら、見事に予想通り! いました。
びっくりしましたよ~。
頭から尻までの長さが、たっぷり私の人差し指ぐらい
ありそうな、でっかいスズメバチ! 紛れもなくスズメバチ!
ひょええと悲鳴を上げて、私は部屋に逃げ込んで窓を閉めました。
見ていると。
すぐに、ヤツは外へと去っていきました。
ほっとしましたが、一体ヤツはどこから来たのか?
なにしろ。
ウチは田舎なもんですから。ベランダのすぐ前には、山、ってほど
立派ではないですが……丘? があって、四階のウチを見下ろす高さで、
多くの木が茂っています。夏や秋は、虫の声がかーなーり凄いんです。
だから。
あの中に、スズメバチの巣ができたのか? いやいや待てよ、
ウチはマンションだ。上にも下にも人家がある。んで昔、
テレビで見たことある。人家の片隅にも、スズメバチは巣を作ると。
もしかしたら。
ウチのすぐ上か下のベランダに、巣を作ってるのかも?
うぁ~そりゃ困る。ちゃんと処理して下さいよ~。
などと。
その時の私は、頼みますよほんとにもぉって思ってました。
そして。
しばらく経ちました。またベランダで、また「ブーン……」で、
またあの大きさで、またひょええと逃げかけて、いやいや踏ん張れ、
ヤツの行方を確認すべきだ、と私は足を止め、振り向きました。
実は。
ウチのベランダの片隅には、小さめの植木鉢が、逆さに伏せた
状態で置かれてます。私は植物の栽培なんぞしませんから、
亡き父の遺品です。ひっくり返ったまま、放置してたものです。
で。
植木鉢の底って、穴が空いてますよね。伏せてますから、
その穴が真上、天井になってます。その穴に、
ヤツが入って行きました。
「なぬ?」
と私は目ぇ剥いて、しかし確かめないわけにはいかず、
こわごわ近づいて、トン、と押して植木鉢を倒してみると。
ありました、巣がっっ!
……いや。
正確には、巣になりかけのモノです。
あの、六角形がまだ10マスぐらいしかない平屋で、
お箸で摘めるひとくちサイズ。食べませんけど。
そんなもんですから。
もちろん、卵や幼虫など皆無、空っぽです。
成虫のハチも、今の一匹しかいない様子でした。
とにもかくにも。
家の中へ取って返し、ゴキブリ用の殺虫剤をシューッ!
比喩でも誇張でもなく「世界最強」の誉れ高い日本のスズメバチですが、
それは人間を刺した時の毒性と、虫同士の縄張り争いでの話。
どうやら。
対・殺虫剤においては、ゴキブリの足元にも及ばぬようで。
あっけなく落ちて、ひくひく。私は素早くホウキとチリトリで掬い、
外の芝生へと投げました。虫はいつもこうして、土に還してますんで。
これにて、決着。めでたしめでたし。
しかし。
一匹しかおらず、作り始めたばかりの巣に出入りしてたってことは。
おそらくヤツは……彼女は、新生女王バチだったということ。
先代女王から命のバトンを受け取り、自らが生まれ育った巣と同じような
立派な巣を作ろうと、汗水流して、孤軍奮闘していたわけです。
そう。
巣を作り、子を産み育て、その子らの手で巣を大きくし
(植木鉢を飲み込んで拡張とか)、やがては次代女王へバトンを渡そうと。
そんな未来を思い描き、たった一人で作り始めたばかりの巣、だったのです。
いや、もちろん。
その美しくも壮大な計画を、ウチのベランダで成就されてしまったら、
大変なんですけどね。でも、ちょいと胸に刺さるものを感じましたんで。
私ぁ。
彼女の亡骸を投げた芝生に向かって、合掌しときました。なむなむ。
☆☆怖い!☆☆
私が持ってる、ある小説なんですが。
何も武器を持ってない主人公が、銃を持ってドーベルマンまで連れた敵集団に、
山の中で追い回されるんです。
で。
深い谷に追い詰められた、と思ったらそこに、ひと抱えもあるスズメバチの巣。
チャンス! と彼は石をぶつけて巣を壊し、自分は谷川へ飛び込みます。
その直後、スズメバチ約500匹が怒りに燃えて巣から出て来たところへ、
追手がやってきました。彼らは何も知らず突然、生きた黒雲に飲み込まれて(以下引用)
清掃部隊と猛犬は強大な針を刺し込まれ、毒を注入され、
皮膚と肉を噛み裂かれた。毒は、アレルギー体質なら一刺しで
ショック死するほどの強さだ。
人間の耐えられる苦痛ではなかった。
(中略)
スズメバチの針はミツバチのそれと違って何度でも刺せる。
倒れても蜂はなお許さず、人と犬の体に群がって針を刺し、
毒を注ぎ続けた。男たちが動かなくなっても……
どーです。
こんなもん読んだ身としては、
スズメバチを見たらひょええになるのは当然でして。
許せ、若き女王よ。
いや、まだ国を築けてないから、王位を継いではおらず、
となると王女、すなわち姫。ぅぐぐ。そうか姫か。
許して下され、マイ(ホームにやって来た)ハニーな姫君。
来世で幸せになられますよう……
このデジログへのコメント
けーさんに姫と呼ばれるのは
私ひとりだと思っておりましたのに
ピチピチと戯れておられたとは
ちょっと気の毒だけど
これもまた運命の悪戯
> 椿さん
う、申し訳ありませぬ。「女性はみんなお姫様」が私の基本姿勢でありますゆえに。
人魚姫にかぐや姫に椿姫にと、それぞれ個性あるお姫様です。
数十メートル先に、溢れる自然があったのになぁ……
銭形平次歌えまするよ♪
歌詞の意味もわからず歌ってましたね
かけてもつれたらジョウトク←と思っていたら謎を解くでした(笑)
改めて歌詞を見てみたくなり
調べたら福山雅治さんが歌てるのも有りました
> 木綿子さん
昔、ラジオ番組でかかったのをカセットテープに録音して、繰り返し聴きました。
今はいつでも何でも、ネットで映像付きで見聞きできる世の中……便利ですけど、
なんかこう、軽くなったなぁと。
蜂こわいですよねぇ
私も子供の頃に刺されたことありますけど
あの痛さは悶絶します(;o;)
お気をつけてw
> はぎんちょさん
おおぅ。私は幸い未体験ですが、痛いのでしょうねえ。
スズメバチの巣の駆除作業とか、映像で見る分には結構好きなんですけどね。
動物園の猛獣の如く。現実にはお目にかかりたくないっっ。
早めに気付いて良かったですね
大きくなってからだったら、業者に頼まなくちゃ危ないですもんね
蜂は古い女王が兵隊引き連れて巣渡りすると思っていたけど
種類によって違うのね。勉強になりました。
> eriさん
スズメバチの巣を焼き払おうとして、自宅を焼いてしまったなんて事例も。
素人には危険ですな。
今確認しましたが、やはりスズメバチは一匹だけで巣作り始める模様。
うぅ、孤独な姫様をっ。
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