- 名前
- イチゴちゃん
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 茨城
- 自己紹介
- 毎日元気に働いてます ゆっくりだけど、はっきり喋ります^^ 嫌がらせを受けていたの...
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伝説の来栖君①
2020年04月23日 17:43
昔、オフィスにて~
来栖君「あの、イチゴ先輩」
私「な~に~?」
来栖君「あの、僕の兄貴がですね、イチゴ先輩の写真を見てですね、”なかなかじゃん”って言ってました」
私「あ~そ~」
来栖君「それでですね、どうかなと思いまして」
私「何が??」
来栖君「兄貴が」
私「兄貴が?」
来栖君「はい」
私「お兄さんが何?」
来栖君「いや、イチゴ先輩にどうかなと」
私「どうもなにも」
来栖君「はい?」
私「興味ないからねぇ」
来栖君「いや、それはそうですけど」
私「?」
来栖君「お付き合いしてみたらいいんじゃないか、と思いまして」
私「何で?」
来栖君「兄貴、優しいんですよ」
私「私、彼氏いるから」
来栖君「ええ、それは存じてます」
私「?」
来栖君「いや、試しにお食事でもいかがかと」
私「行かないよ」
来栖君「どうしてですか?」
私「行きたくないから」
来栖君「いや、でも兄貴はけっこう楽しみにしてまして」
私「いや行かないって」
来栖君「でもですね」
私「あのね」
来栖君「はい?」
私「何で私には選択肢が無いわけ?」
来栖君「いや、そんなことは無いんじゃないかと」
私「行く自由も行かない自由もあるのが普通じゃない?」
来栖君「それはそうですね」
私「だから行かない」
来栖君「でも兄貴がですね・・・」
私「しつこいな!行きたくないって言ってるじゃん!」
少々の無言の後
来栖君「あの、イチゴ先輩は何で行きたくないんですか?」
私「逆に聞かせて。何で私は”行く一択”なの?」
来栖君「あの、弟の僕が言うのもなんですけど兄貴はイケメンでして」
私「だから?」
来栖君「あの、女性としては光栄じゃないのかな~、と」
私「じゃあ私の意見を言うけどさ」
来栖君「はい」
私「まず、私は彼氏がいるから行かない、って言ってるよね?
つまり、ほかの男と食事に行ったりして彼氏の機嫌を悪くしたりしたくないわけ。
で、ましてや来栖君のお兄さんと食事に行ったせいで彼氏の機嫌が悪くなるのは、私にとって不本意なわけ。なぜかと言うと、おそらく君のお兄さんは私や世間の女が思うイケメンでは決してないから。
機嫌を損ねてでも行きたい、って思わせるような男じゃないと、行く理由がないのよ。
例えば彼氏以上に私のことを大事にしてくれる、とか。彼氏よりも私を愛してくれる、とかね。
次に、”なかなかじゃん”って上から言ってくる程度の男を私が好きになるわけないのね。
自分が選んだ気になってるのかもしれないけど、選ばれて光栄ですみたいな思想は持ってないのよ。
こっちが”お前はあり””お前は無し”って選んでる気なわけ。それと、自分の言葉で自分で動いて何かをどうこうしようって男じゃないと興味すら湧かないわけ。弟を使って弟の会社の、しかも先輩をどうにかしようってその根性が気に入らない。わかった?」
来栖君「でも兄貴はモテるんですよ?」
私「いつモテてるの?こんな感じで今まで恋愛してるんでしょ?
自分で動かないやつに惚れる女なんていないと思いますけど」
来栖君「いや、今は彼女がいないんですけど熊本にいたときは彼女がいたって言ってましたし」
私「え?来栖君はお兄さんの彼女と会ったりしないの?」
来栖君「まだ会ったことはないです」
私「え?歴代の彼女誰とも?」
来栖君「そう・・・ですね。まだどなたも会ったことないですね」
私「来栖君。お兄さんの写真とかある?」
来栖君「え~と・・・家族写真なら」
※~写真を見て~
私「来栖君」
来栖君「はい?」
私「君、お兄さんに騙されてるよ」
来栖君「え?どういう意味でしょう?」
私「直球で言ってもいい?」
来栖君「お願いします」
私「まず、イケメンとは程遠い顔」
来栖君「えっ?」
私「で、この服のセンスの無さ」
来栖君「え?」
私「どこらへんでモテるわけ?」
来栖君「いや、兄貴はトークが上手で」
私「あのさ、トーク上手だったら自分で行動したほうが確率あがるんじゃないの?」
来栖君「どういう意味でしょう?」
私「だから、来栖君は説明も下手だし、察しも悪いし、気遣いもできないのは自覚してるよね?」
来栖君「はい、昔から苦手でして」
私「そんな人にトークが上手な人が、”この子紹介してよ。お膳立てしてよ”ってお願いすると思う?」
来栖君「・・・普通に考えたら、しないです・・・ね」
私「そう思うよね?」
来栖君「いやでも、イチゴ先輩!兄貴のそういう作戦なのかもしれないです」
私「失敗しか見えない作戦なんて実行するわけないじゃん」
来栖君「いや、でも本当にイケメンでして」
私「どうトークが上手いのさ?」
来栖君「いや、親せきで集まったときに話題を振ったりとか」
私「それ、私でも出来る」
来栖君「そうですか」
私「正直に言ってもいい?」
来栖君「はい」
私「そのままお兄さんに伝えられる?」
来栖君「はい、頑張ります」
私「じゃあ言うけど。まず私は”すっごいいい女”だと自分で思ってるのね。
どう”いい女”なのか?って聞かれたら
①かなりの美人
②かなりのスタイル
③料理がなかなかいける
④気遣いが人並み以上にできる
なわけ。
控えめに言ってるからね?世間の女はもっとけっこう”私はすごい”って自覚があるし、私自身も自信あるからね。
それだけ聞いたらさ、どう考えても”選ばれる人間”じゃなく”選ぶ側”だと思うんだよね。
あの人がいい、って私が選ぶわけ。人から選ばれるわけじゃなくね。
そういう環境の中でさ、自分の彼氏が一番いいって思って付き合ってるのよ。
”世界一の男を見つけた”って言ってるのと同じだと思ってもらっていいや。
で、世界一の男と付き合ってる自覚がある私が、よりにもよって低スペックの男に”なかなかじゃん”って言われて喜ぶとでも思ってんの?
”キレイ”だの”美人”だのの褒め言葉も求愛行動を取られるのも、こっちは小さいころからだからさ
慣れてるんだよね。昨日今日いきなりメイクで綺麗になった女と違うわけ。自覚があるわけよ。
どうせ選ぶんだったら、もっといい男を探すと思わない?
第一、お兄さんはどこの大学出てるの?最低でも六大学くらいは出てるの?
私にものすごく上から目線で来てるわけなんだからさ、東大理Ⅲ卒くらいのスペックは欲しいよね?
最低でも法学。で、お兄さんはどこの大学?」
来栖君「いや、兄貴は大学行ってないです」
私「ほぉ~。高卒程度の自称&家族が言う程度のイケメンってだけで
世の男どもが群がる勢いのイチゴ様を口説こうと?」
来栖君「いや、そういうわけでは・・・」
私「そういうことだよ。来栖君、考えてみてよ」
来栖君「はい?」
私「いつも経費の計算で来るエネルギーカンパニーのAさん。わかる?」
来栖君「はい、わかります」
私「あの人、成績が良いから年収2000万超えてるんだよ?」
来栖君「ええっ!?そうなんですか?」
私「食料カンパニーのBさんは?」
来栖君「わかります」
私「あの人東大卒で、今食料で売り上げトップなの知ってる?」
来栖君「すごい方なんですね」
私「で、資材木材カンパニーのCさん」
来栖君「はい、あの方がどうかしたんですか?」
私「あの人、実家がもともとお金持ちでお父さんが開業医、弟さんが大学病院勤務のドクターね」
来栖君「はい」
私「その3人、あの手この手で私を口説こうとかれこれ2年以上頑張ってるんだよ?」
来栖君「ええっ!?そうなんですか?」
私「で、そんなエリートさんでお金持ちでいいトコの大学卒業してるのに
私はひとつもなびいてないし、彼氏と別れるわけでもない」
来栖君「はい」
私「万が一、彼氏に振られたとしてさ」
来栖君「はい」
私「社内でこれだけのスペックの人たちが”付き合ってくれ、結婚してくれ”って言ってきてるのに」
来栖君「はい」
私「君のお兄さんのような、高卒の自称イケメンに”なかなかじゃん”って言われたくらいで、この私がなびくと思う?」
来栖君「・・・いえ、なびかないかと」
私「わかってくれた?」
来栖君「はい」
私「なら良かった。はい、仕事にかかってね~」
来栖君「いえ、でもですね」
私「まだ何かあるの?」
来栖君「あの、男女が付き合う上で大切なのは、愛情だと思います」
私「・・・それをさっきから私が君に訴えてるって、何でわからないの?」
来栖君「えっ?そうだったんですか?」
私「とりあえずね、君を見てるだけでお兄さんがどんな人か想像はつくからさ」
来栖君「はい」
私「これだけ理解力も相手を思いやる気持ちもない人(来栖君のこと)のお兄さんとは、付き合いたいと思わないし関わりたくもないです!」
来栖君「・・・」
私「それと!」
来栖君「・・・」
私「お兄さん、今まで彼女出来たことないでしょ?家族に会わせたことない時点でいる可能性は低いし
もし真剣交際だったら会わせないって選択は無いでしょ。
悪いんだけど、妄想で女性のイメージを自分の思うままにしてる男って今まで一人たりとて”ろくなもんじゃない”人ばっかりだったからさ。
まず女性と付き合いたけりゃ、女性というものを学んでからにしてくれる?
それと、私と付き合うにはお兄さん程度の能力や技量じゃ”ムリ”。
おわかりいただけました~?」
来栖君「・・・はい、わかりました」
私「わかってもらえて嬉しいよ。さ、お仕事しましょう」
こんなときもありました。
このデジログへのコメント
相変わらず文章うまいw
分かりやすいし読みやすい、何より面白いw
翻訳家とかいけるんじゃないかなぁw
お久ー!イチゴちゃん
さすがにうまい撃退ですね^ ^
ロンドンは今どんな状態ですか?
長い文章でしたが、面白いので一気に最後まで読みました️
自己中心的な人は困り者ですよね…
新型コロナウィルスが早く終息するといいですよね
あ~~~楽しい
気分が落ち込んでた時だから
こういう楽しい話は妙薬ですな。
ありがとう。
こんにちは。そちらは今晩わですね。
来栖君シリーズ拝見してクスクスしちゃいました(笑)
来栖君みたいなポンコツ今の日本にゴロゴロしてますよ…
ウチの部署にも居ますし
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