予想のななめ上

毎日おうちで過ごしていると

昔のことを、ふと思い出したりします


かつて私が企業で働いていたときのことを

話したいと思います


テーマは「おいおいマジかよ来栖くん（固有名詞は仮名）」


私はかつて、企業の出納係（財務管轄の部署）に属してまして

そこでは経費の計算やら消耗品の管理やら、と

雑務全般を受け持ってました


部署内はほとんどが女性スタッフで

男性は管理職含め数名（女性23名・男性4名くらい）


そんな中、新人研修を終え配属されてきたのが

年齢的に中途採用ですが、新人の来栖君（当時23歳、私は25歳）


私の出納係に配属され


「男の子で出納係は珍しい」と、部署内でも最初は目立ってました


年齢が近い+そろそろ新人をつけても問題ない

ということで、私が教育係に指名され

四六時中、同じお仕事をすることになりました



そんな来栖君、伝説をたくさん作っていくのですが

いくつか書きたいと思います


①合同会議にメモ帳だけ持ってきて、ペンを置いてくる


私「来栖君、こういった合同会議はたまに開かれるんだけど
課に戻ったら、みんなに説明するからメモ帳忘れないでね」


来栖「はい、わかりました」


～会議出席中～

来栖「イチゴ先輩、申し訳ないんですがペンって余ってませんか？」

私「ペン？壊れちゃったの？」

来栖「いえ、必要ないと思っててテーブルに置いてきちゃって」


え？何言ってんの？


私「メモ帳は持ってるじゃん？なんで？」


来栖「いえ、イチゴ先輩が”メモ帳忘れないで”っておっしゃったんでメモ帳は持ってきたんですけど」


いやいや、なんでだよ


じゃあ、その理屈が正しいとなると


「お買い物するからお財布持ってきて」って言ったら


お金が入ってないお財布だけ持ってくるの？


来栖「いや、先輩。それは少々屁理屈な気がしないでもないんですが・・・」




お前の言ってることのほうがおかしいんだよ


②エクセルと私の計算を信用しない


来栖「あの、先輩。ここの計算が何度やっても合わないんですが」


私「そんなことないよ。現金と一致するんだから（営業その他が突如お金が必要になることがあるので、金庫でお金をある程度管理してました）」


来栖「いえ、それが合わなくて」


私「ちょっと貸して（手に持ってる紙を貰って）」

電卓でたたくと、確かに合わない


私「どこかで間違ってない？私が手計算したなら間違うけど、エクセルで計算したやつだから
間違ってるとしたら関数計算式が壊れてたりするはずだから」


来栖「いえ、合ってます」


私「そんなわけないって。計算のためのエクセルなんだから。式さえ間違ってなかったら
私たちよりも正確だよ」


～5分後


私「来栖君？これ、消費税いくつで計算してるの？」


来栖「（自信満々で）3パーセントです！」


私「今5パーセントだって知ってるよね？」※2007年時


来栖「・・・あ！」


あ！じゃねぇよ



③人の話を聞かない


私「来栖君、こっちでその表広げると部長たちが会議できないからどかしてね」

来栖「はい、わかりました」

私「午後までに終わる量じゃないから、今のうちにあっちに移動させておいて」

来栖「はい、大丈夫です」

～午後


部長「お～い、イチゴ君。これ、どかしちゃっていいかな？」

私「どれですか？」

部長「昨年度の経費の推計表。折り曲げたらまずいヤツかな？これ」


私「すみません！すぐにどかします」


部長「あ～、いやいや。お仕事の資料なんだから気にしてないよ」


～


私「来栖君、表なんだけどなんでやりっぱなしにしたの？」

来栖「いえ、あれはあのままやっていれば終わると思いまして」

私「終わらないよ、って言ったじゃん。とんでもない量なんだから」

来栖「いえ、自分の見込みでは午前中に終わるかと・・・」


私「だから終わらなかっただろうがっなんで人の忠告を無視するの？」


来栖「いえ、そういうわけじゃ・・・」


私「とにかく！言ったら何だけど、来栖君は仕事の進みが非常に遅いんだから
人の話は真剣に聞いて、それを守って！」

来栖「いえ、そんなに遅くはないんじゃないかと」


私「私がやったら30分で終わるデータ入力、何週やってんだよ」
（この時点で1週半かかってる）


来栖「いえ、あれはたまたま・・・」


私「たまたま何」


来栖「計算が少々複雑っていうのもありまして・・・」


私「エクセルが勝手に計算するように式かかってるじゃん」


来栖「いえ、自分でも理解しておかねば！と思いまして」


私「言い訳が多い」



④聞き違えと勘違いが多い


私「来栖君、こっちの発注書を海外事業部のアジア担当課に持って行ってくれる？田中課長（仮名）に渡せばわかるから。で、こっちのペンとカラーペンの箱は隣の商品卸管理課ね。これは鈴木課長に渡せば、この受け取り書にサインしてくれるから」


来栖「はい、わかりました」


私「大丈夫？この前みたく課長さんの名前を間違ったりしない？」

来栖「大丈夫・・・かと思います」

私「やっぱ不安だな・・・じゃあそれぞれに名前と部署名書いた付箋つけとくから、
その宛名の人に渡せばいいからね」

来栖「はい、それなら大丈夫です」


～20分後


田中課長「イチゴちゃん、ペンなんだけどさ」


私「はい？ペン・・・注文ですか？」


田中課長「いやいや、イチゴちゃんとこの若い子が来てさ。”これ、お願いします”って言って置いて行ったんだけどね、鈴木課長宛てだったみたいなのよ。だから鈴木さんに渡しといたんだけど、問題なかった？」


私「え？どういうことですか？」


鈴木課長「イチゴちゃん。ああ田中さんここにいた、ちょうどよかった。これ田中さんに、みたい」


田中課長「ああ、それそれ！それが来なかったからイチゴちゃんに聞きに来たんだよ。今回は発注書無いのかな？って」


私「？？？」


鈴木課長「逆に置いて行ったんだろうね。田中さんのを私に置いて、田中さんのところに私の分を置いて。って感じでさ」




く～る～す～



～10分後


来栖「イチゴ先輩、置いてきました」


私「来栖君、ちょっといい？」


来栖「はい、何でしょう？」


私「ちょっと廊下出ようか」





私「一体何をやってんの」


来栖「？？？」



私「アンタ、田中課長に渡すものと鈴木課長に渡すもの、逆に持って行ったでしょ？」


来栖「いえ、ちゃんと付箋の通りに・・・」


私「じゃあ、なんで鈴木課長が”アジア担当課　田中課長”って付箋が貼ってある発注書持ってきたんだよ」


来栖「あ・・・あれ？」


私「宛名まで書いてあるのに、どうして間違ったの」


来栖「いえ、そんなはずは」


私「そんなはず、なんだよ事実なの」


来栖「・・・すみません」


私「すみませんで済むかっ」


来栖「はい・・・以後、十分に気を付けます」


私「で、鈴木課長のサインは？」


来栖「あ、それはちゃんとここに」


紙を見て愕然


私「来栖君、なんでここに来栖君の名前が書いてあるの？」


来栖「あ、それはちゃんとペンを渡したということで書いておきました」


私「誰が？」


来栖「僕が、です」


私「なんで来栖君の名前を書いたの？」


来栖「え？僕の名前を書くんですよね？」


私「お前が発注したわけでもないペンの受け取りサインを、お前が書いてどうすんだよ」


来栖「？え？でもそれはイチゴ先輩がサインを貰えって」


私「私が来栖君にお願いして”鈴木課長に持って行って”　って言ってるのに
なんで発注者が来栖君になってんだよ
鈴木課長のサインに決まってんだろうよっ」


来栖「あ・・・すみません」


私「君はとんでもない間違いが多すぎるっ
人も間違う、物も間違う、計算も間違う。それでいてプライドだけは高い。
まず間違いを認めなさいよそして、失敗は自分で取り戻せ」


来栖「・・・はい」


私「これ、鈴木課長のサインじゃないから発注履歴管理ではじかれるよ
管理書内容変更願い出さないといけなくなるの」


来栖「はい、申し訳ありません」


私「鈴木課長のサインが、変更願いにも必要になるんだよ。自分で説明して、サイン貰ってきなさい。
自分のお尻は自分で拭いて」









世の中には、こういう人がいるんです



まだまだ書くことはいっぱいありますが

今回はこのくらいで