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趣味は読書、大藪春彦
2020年04月15日 01:15
明日はコロナで休みだし、「野獣死すべし」について書いていたら、大藪春彦についても、勝手に書いてみたくなった。
Googleで調べたら、松田優作主演の角川映画「野獣死すべし」は1980年公開だから、僕が高校3年生の時である。
僕がこの本を読んだのは、多分、映画公開の前だと思う。
表紙は松田優作になっているから、高校2年か3年になったばかりの頃ではないかと思う。
その時は、ただ単に色帯と表紙で買って読むには読んだが、ほとんど印象に残らなかった。
まだ横溝正史に夢中だったのである。
高校を卒業して浪人生活に入ったが、家庭の事情で宅浪していたので、自分の時間は結構自由だった。
近所に、高校は違ったが、中学は一緒の浪人生がいて、やはり僕と同じ一人っ子で、読書も好きなようで話が合った。
彼が大藪春彦を話題にして、僕は「野獣死すべし」を再読したのだ。
そして、どうしてこんな面白い小説に気づかなかったのかと思って、一気に角川文庫の大藪春彦作品を読むようになって行った。
大藪春彦は行動の文学だと思う。
映画「ロッキー」シリーズを観ると、筋トレしたくなるように、大藪春彦の世界をしると、その主人公の行動を真似したくなる。
ボクシングをやったり、射撃をしたりはしなかったが、作中に出て来る本は結構読んだ。
ニーチェもドストエフスキーもいずれは読んだかもしれないが、大藪春彦作品で取り上げられていなければ、読む時期は違っただろう。
レールモントフの「現代の英雄」、ニコライ・オストロフスキーの「鋼鉄はいかに鍛えられたか」、ツルゲーネフの「猟人日記」などは絶対に読まなかった。
そして、ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーへと移行して行くのである。
ずっと、ハードボイルドとは疎遠になっていたのだが、数年前、たまたまロバート・B・パーカーの「初秋」という本を読み、パーカーにハマってしまった。
ハードボイルドは行動の小説であり、元気の出る小説である。
若い頃に、夢中になる作家を持てたことは幸せだと思う。
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