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趣味は読書、教科書の中の作品(2)
2019年12月01日 00:24
太宰治の「走れメロス」は中学の国語の授業でやったのだが、一般的に言われている友情が、人の心を動かすという話とは少し違うということを教わった。
「走れメロス」が書かれた頃の太宰のエッセイに、義務について書かれたものがあり、これもそれを表しているというものである。
うろ覚えだが作品中に「間に合う間に合わぬは問題ではない。走らねばならないのだ」というような台詞があったように思う。
友情に応えることが主なら、ここは「セリヌンティウスのために、走らねばならないのだ」とならなければおかしい。
友情に応えるなら、間に合わせることが重要だが、ここでは走るという行為に主体が移っている。
走るという義務を遂行するという風に変わっているのである。
そして、その義務を遂行した結果として、王は改心して、メロスとセリヌンティウスは救われるのである。このように考えると、ちょっと友情の素晴らしさを表す代表作のようだが、少し違って見える。
傑作というものは、様々な要素を含んでいるものだから、表面的な部分だけでなく、穿った見方もある時には必要だろう。
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