- 名前
- 松田文学男爵
- 性別
- ♂
- 年齢
- 60歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 僕はアンドロイドなんだ。 アンドロイドだって夢は見る。 でも、それはキミたちのように...
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聖灰水曜日
2019年02月13日 22:45
わたしはふたたび、ふりかえることを願わないので
わたしは願わないので
わたしはふりかえることを願わないので
この人の才、かの人の能力をうらやんで
かかるものを、もはや争って手に入れようとはしない
(どうして年おいた鷲が翼をはる必要があろう)
どうして、世の常の力が消えうせたことを
なげく必要があろう
わたしは、現世の時間のもろい栄光を
ふたたび知ることを願わないので
わたしは考えないので
わたしは、ただひとつの本当のつかのまの力を
とうてい知りえないことを知っているので
わたしは、もう何もないので、かのところ、木々が花さき
泉がわきでるところで飲みえないので
わたしは、時がつねに時であり
場所がつねに、そしてただ
場所にすぎないことを知っているので
そして、この世のものは、ただ一度だけ、そして
ただひとつの場所において、現実であるにすぎないことを知っているので
わたしは、物ごとがあるがままにあるのを喜び
あの祝福された顔をこばみ
あの声をこばむ
わたしはふたたび、ふりかえることを望みえないので
それゆえに、わたしは喜び、わたしの喜びの
いしずえとなるものを創りあげねばならない
そして、われらのうえに、慈悲をたれんことを神にいのり、そして
わたしはみずから論じすぎ
説明しすぎた事柄を
忘れるように神に祈ろう
わたしはふたたび、ふりかえることを願わないので
これらの言葉をもって
すでになされたことの答えとしよう、ふたたびなされることのないよう
われらのうえに裁きのきびしすぎないことを願って
この翼はもはや天かける翼でなく
ただ空をうつふるいにすぎない
その空はいまやしぼみ、かわき
わたしの意志よりなおしぼみ、かわいている
思うて、しかも思わないすべを、われらに教えたまえ
静かにすわるすべを、われらに教えたまえ
いま、われら罪人のため、われら死にのぞむいまわのときに祈りたまえ
いま、われらのため、われら死にのぞむいまわのときに祈りたまえ。
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