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「キャタピラー CATERPILLAR」レビュー☆

2018年09月01日 23:43

「キャタピラー CATERPILLAR」レビュー☆

寺島しのぶ主演他。忘れるな、これが戦争だ・・・1943年、かつて勇ましく出征していった久蔵大西信満)が戦地で負傷し、四肢を失い、顔面が焼けただれた無残な姿で帰還する。首に勲章を下げられ、「軍神」と村中から祭り上げられる久蔵の耳は何も訊かず、口は言葉を失い、ただひたすら、シゲ子(寺島しのぶ)が口に運んでやる粥を旺盛な食欲で食べる毎日。シゲ子は夫の排せつの世話をし、盛んな性欲をも満たしてやるのだった。出征前、子どもを産まない自分を罵った夫の記憶を胸に抱きながらも、シゲ子は軍神の妻として、久蔵に尽し続けていたが、やがて敗戦の日が訪れ・・・。「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」の若松孝二が描く、人間と戦争の真実。第60回ベルリン国際映画祭最優秀主演女優賞受賞作。

6/10点!!観たいけどエログロが凄いのかなって先入観で怖くて観れなかった作品をやっと鑑賞。寺島さんの大西さんの演技が凄まじいので、物語に集中してて意外と大丈夫でした。シゲ子の夫との上下関係が入れ替わっていく表情の変化が何とも言えず、これは寺島さんの真骨頂だと思いました。戦地に送り出され、傷つき四肢を失い、PTSDになったのは、間違いなく久蔵のせいではなく国が戦争を起こしたせいだけど、戦地に行く前からシゲ子に手を上げていたことや戦地で女性に乱暴を働き殺しまくっていたことは、間違いなく、しなければならなかったことではないです。私は、人間の善も悪も信じるし、戦下で人が変わってしまうのもわかるけれど、自分で考え流されないのが人間の理性だし、きっと久蔵は元々の粗雑な性格ゆえに「戦争だから。」と言い訳し流されてしまったのだろうと感じました。その罪と罰は負うべきかと。ひたすら夫婦が狂っていく話かと思っていたのですが、シゲ子と久蔵が心を通わすシーンもちゃんとあって、この夫婦は出征前はどんな風に愛し合っていたのかな?シゲ子は暴力を振るわれていたけれど、久蔵を愛していたのかな?とこの夫婦のことを知りたくなりました。この時代の女性が男性に従順だったのは知っていますが、それでもシゲ子が久蔵を世話する姿がとても丁寧で、逃げ出さないのは、愛なのか?諦めなのか?世間体なのか?どれも正解な気がしますが、もう少し深く覗きたかったです。あとは、反戦映画なのはわかりますが、夫婦の生活と戦争のテロップの出し方のバランスが悪いです。あとは、久蔵の兄弟・親類が他人事過ぎて酷過ぎて呆然。2010年公開。

このデジログへのコメント

  • ユリ 2018年09月02日 00:34

    > ロイ☆さん
    あさま山荘撮った方です。シゲ子の接し方観てると母性愛というか保護愛みたいなのも感じたんですよね。その割り切れないバランスが見る人によって変わる感じが見事でした。

  • pekopoko 2018年09月02日 00:43

    主従関係が逆転したことの喜びみたいなものが
    寺島さんの表情からは感じられて、
    「やっぱり、女は怖いなぁ」と思ったのは内緒です笑

  • ユリ 2018年09月02日 09:22

    > pekopokoさん
    女は強いなぁと思いましたよね(^^)もうちょっと関係性を攻めても良かったかなと思いました。

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