- 名前
- けーでぃー
- 性別
- ♂
- 年齢
- 50歳
- 住所
- 奈良
- 自己紹介
- 「元」がつきますが一応プロの小説家。現在、 カムバック目指して修行中です。 そんな私...
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ほんのちょっぴり、現実での「ヒーロー」体験。
2016年01月23日 21:09
悪者をやっつけたわけではありませんが。
美しいヒロインと恋仲にもなってませんが。
私の、現実での、ささやかな「ヒーロー」体験。
さてさて。
前回、バイトの話をしましたが。
今回も、バイト絡みの話です。
大学時代、私が一番長くやったバイト。
性に合ってた、楽しかった、のが交通整理です。
場所は難波の駅前、場外馬券売り場の前にある大きな交差点。
ここはですね。
東・北・西から来てる車道が、交差点で合流し、南の一本に向かって
一方通行で集中して流れる、という構成になっています。
(方角は実際とは違います。図を想像しやすくする為の表現です)
まず。
東→南の流れだけが青信号になって流れる。やがてそこが赤になって止まる。
次に北→南が青になって流れ、その次は西→南。
最後に全部赤となり、全方位から歩行者が一斉に通る。で、また東→南と。
この、東・北・西から来る3本の流れ。
平日は問題ないんです。が、土日は車の量が多いので、信号任せにしていると、
東→南の列が渋滞し、端から端までギッシリ埋まってしまいます。そうなると、
次の北→南の列は、青信号になっても1台も通れなくなる。
また、交差点が車で埋まって、歩行者も通りにくくなる。
なので。
東→南は2台だけ通して、残りは青信号でも止めて、次回の青を待っててもらう。
次に北→南も2台、最後に西→南は多く溜まってるから4台、という風に調整。
これを上手にやると。
全部が赤信号になって、歩行者が通る時、交差点には1台も車がなくてスッキリ、
3方向からの車たちはそれぞれ少しずつ通している、という状態にできます。
後はこの繰り返し。
この調整作業を、綺麗に纏めることができると、気持ちいいんですよ~。
実に実に私好みの仕事でした。紅白の旗を振るのが楽しくって、もう。
青信号なのに止まって待ってもらえる、というドライバーさんの善意にも
触れられますしね。……もちろん悪意もありましたが。
で。ウソのようなホントの話。
ある日、このバイトが終わって、帰宅中だった私がですね。
自宅のすぐ近くで、交通事故を目撃したんです。
ほんとに、モロに。
車が人にドカンとぶつかって、
誇張ではなく「人間が吹っ飛ばされた」瞬間を、この目で見ました。
慌てて駆け寄ると、被害者は意識こそあるものの、倒れたまま身動きできず。
加害者もその場にちゃんといますが、オロオロしてるだけ。
当時はまだ携帯電話が普及してませんでしたが、
公衆電話が目の前にあったので、救急車への通報は私以外の人が
やってくれてました。
しかし。
まるでわざわざ狙ったかのように、被害者が倒れているのは、
交差点のド・真ん中です。四方向の行き来が交わる中心点。
ドライバーさんたちも事情があるのですから、全部を止め続けるわけにはいかない。
しかしこのまま放置すれば、事故現場だからと信号に関係なく停車する車、
それに怒って強引に割り込もうとする車、などが入り乱れ、
救急車が来る前に大混雑、トラブル発生、二次事故にもなりかねない。
とはいえ、こんな状態のケガ人を、ヘタに動かすわけにもいかない。
脳とか骨とか、どうなってるかわからない。
そんな現場に。
ちょうど、「あのバイト」の帰り道だった私が居合わせている。
そこで私は、旗は無くとも、この両腕を大きく振って、
「はい、こっちの列! 2台通って……よし、ストップ、そこまで!
ほんじゃあ次はこっちの列、3台! こう、ぐるっと迂回して……」
といった具合に。
まるっきりの私服姿で、体ひとつで交通整理。
ドライバーさんたちも、事故現場とあってか快く協力してくれて。
難波の駅前と比べたら田舎も田舎ですから、車も少なく、
スムーズに流していくことができました。
そんなこんなで。
救急車が到着し、被害者が路上で応急処置を受けて、救急車に乗せられるまで、
私は交通整理を続けました。
そして。
救急車が無事に発車したのを見送ってから、
無言でその場を立ち去る男・けーでぃー。
これが私の、ほんのちょっぴり「ヒーロー」っぽかった体験です。
しかしアレですよ。なんつーか、その。
ほら、あの、「電車男」みたいな展開は全くなかったってのが、
残念っちゃあ残念ですが。
でも。
被害者の友人だか家族だからしい同行人が、被害者の付き添いで
救急車に乗り込む時、私にぺこりと一礼してくれてました。
それが……ま、勲章がわりってとこかなと。
このデジログへのコメント
バイトのテクニック(て言うのかな)が役にたったんですねw
素晴らしいですヽ(^0^)ノ
> few(蘇生中)さん
お褒めの言葉、ありがたく頂戴致します、我が姫君。
悪意ある人は私みたいな行動に対して「仕切りたがり」とか言ったりしますが。
誰かがやらねばならぬこと、なら私がやる! です。
> はぎんちょさん
全くです。あのバイトをしておらねば、単に私の「気性」だけで
あれほど動けたかどうか。技術ってほどのものでもないので、
走る車に対する度胸、交通整理への精神的慣れ、のおかげですね。
> munimuniさん
ありがとうございます。まぁ私は、悪く言えば目立ちたがりでして。
大勢の前での演説とか緊張しない、どころかむしろ楽しい。
この時も、ヒーローとして舞台に立ってた気分でしたよ。
カッコイイイ。
やっぱりカッコイイのが
ヒーローですなぁ♪
> まお子さん
ありがたきシアワセ。そういう、ヒロインの声援を浴びたヒーローは、
お金や名誉に関係なく奮起して、ヒーローたらんと頑張るわけです。
今後も、身近なヒーローに声援を送ってやって下さい。
素敵ですね!!惚れ惚れします゚+。:.゚(*゚▽゚*)゚.:。+゚
> ゅんたんさん
私は徹底的に容赦なく、経験・免疫が少ないので、
そういうセリフを聞くと過剰に舞い上がってしまいますぞっっ。
……こんな歳でこんなこと言ってるのも、どうかと思いますがね。ふっ(涙)。
普段やってることがとっさに出せるのはなかなか出来ないことですよね
素晴らしいです
> とめおさん
ありがとうございます。非実戦的だと批判する人もいますが、武道における「型練習」が
正にそれでして。緊張や不安や焦りで頭の中がグチャグチャでも、筋肉に馴染んだ動きが
できるように、と。
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