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死の恐怖感

2015年12月25日 14:00

死の恐怖感

DVDで『BONES』
最新シリーズ 観る
工作員と闘った
ブースは重症の上
警官殺しで投獄


兵士と闘ったことはない。


エアーガンで狙撃されたことならあるけどね。誰が撃ったかは判らない。開けていた2階の窓に、外から突然撃ち込まれた。










とりあえず、いままでに最低2回は死に損なっている。もちろん、上の狙撃はカウントしない。自殺未遂した訳でもない。


その一度が、顔面座礁。日雇い現場の解体工事での事故だった。


ユンボアタッチメントコンクリートの固まりを噛み砕く。こぼれ落ちたコンクリートのガラが跳ねて飛んだ。


巨乳女性の胸ほどもあるコンクリートの固まりが、埃を押さえるために近くから散水していた私に向かい一直線に飛来した。


一瞬だった。

激しい衝撃!

ほの暗い闇。


痛みは感じなかった。ただ、目の下がドンドンと加速度的に重くなる。光は感じている。眼球は無事なのか。


恐る恐ると眼をあける。目の前に血塗られた鉄筋棒が、コンクリートのガラから伸びたその切っ先を揺らしていた。


ガラは柱の一部。柱の骨組みに使う極太の鉄筋棒が露出して、先端は機械で噛み切られているため押し潰されて尖っていた。


鉄の鎗で顔面に「突き」を喰らったのと同じこと。場所は、右目の下に3センチのところ。危ないところだった。


アト上に3センチずれていたら、眼孔を突き抜け脳にまで達していた筈。左に3センチなら鼻、下に5センチならば口、同じく突き抜けたことだろう。右に3センチなら顔面神経をやられていたらしい。


ほどなく、顔面はお岩サンのように腫れ上がり、麻痺した顔右半分が異常なまでに重たく感じた。









いま右目の視力は極端に悪いが、見えるだけ目っけ物。何より私は、いま、まだ生きている。



















私の最後の似顔絵の客は、井の頭公園で描いた5歳の坊やだ。


彼は、右耳が無かった。


障害のあるお客様はそれまでにも意外といたし、数もこなしてきた。私には、自信があった。


右耳が私からは見えない左斜めの構図で、ごく普通にトビキリの笑顔似顔絵を描いた。


トビキリの笑顔を引き出すために、私は子供のお客様とはずっとお喋りをする。


その時だった。
私は、彼に気を遣わせてしまった。


いまでこそ目立たないが、当時は事故からまだ間もない。右目の下には、ケロイド状の傷跡が残っていた。


似顔絵大道芸と捉えていた私にとって、お客様に、それも小さなお子さんに気を遣わせるなど、自分で自分が許せなかった。


芸人、失格だ。




















かねてより悪化していた腱鞘炎も芳しくなく、私はコレで筆を折った。

このデジログへのコメント

  • cho-co 2015年12月25日 18:10

    無事でよかった。
    想像だけで怖い事故です。

  • ウルトラ7 2015年12月25日 19:49

    > cho-coさん

    ありがとうございます♪

    バイク事故のビートたけしサンの逆.
    彼は左 私は右側.
    『顔面麻痺なスターズ』
    彼が本当に創ってたら
    本気で入ろうと思った(笑)

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