- 名前
- けーでぃー
- 性別
- ♂
- 年齢
- 50歳
- 住所
- 奈良
- 自己紹介
- 「元」がつきますが一応プロの小説家。現在、 カムバック目指して修行中です。 そんな私...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
御用だ誤用だ! その1「ビミョー」
2014年12月06日 21:22
しばらくぶりの言葉シリーズです。
堅い内容・厳しい口調になると思いますので、それでも良いという方のみ、お読み下さい。
さて「微妙」。
これは、大雑把に言ってしまえば、「あやふや」「どっちつかず」なものを指す言葉です。
黒とも白とも言えない、真ん中あたりをふらふらしている微妙な灰色、
というのが正しい位置づけ。
厳密には、というか元々は「プラス側」に寄った表現なのですが、とりあえず
「完全な黒!」や「真っ白!」ではなく、断言できない灰色のこと、
というのは間違いありません。
ですから。
例えば、ラーメンを食べた感想として「このラーメン、微妙だね」というのは、
ラーメンの味の高低としては、「ど真ん中である」「まぁ平均程度の美味しさである」
ぐらいの意味になるわけです。
決して、「マズい」ではない。むしろ「このラーメン、悪くはないね」です。
(前述通り、元々の意味ではむしろ「美味しい」側に寄ってます)
なのに。
明らかにマズそうに顔をゆがめて、「うわ。このラーメン、ビミョ~過ぎる」なんて
言ってるのがよく見られます。これはどう見ても、「マズ過ぎる」と言ってますよね。
こうなると明らかに誤用です。「真ん中の灰色」が「微妙」なのですから、
黒であれ白であれ一方に片寄れば、それはもう「微妙」のエリアから出ています。
「このお湯は微妙に熱すぎる」なんてのはもう完全に、「頭が腹痛」のレベルです。
湯の温度なら、「熱い」「冷たい」の真ん中ふらふらの「ぬるま湯」のみが「微妙」。
「微妙」が頭につくなら、「熱すぎる」「冷たすぎる」どちらも間違いです。
「微妙に○○すぎる」は、○○が何であれ全て誤用、と言い切って間違いないでしょう。
黒にも白にも頑として片寄らない、ど真ん中の位置を堅持する、という意味でなら、
「微妙すぎる」は言えなくもないでしょうが……でも「微妙に○○すぎる」はアウトです。
そもそも。
「微妙に黒すぎる」と「黒すぎる」の違いは? 全く同じでしょう。なら「微妙」は無駄。
前者の方か黒度が低いのなら「微妙に黒い」でいい。「すぎ」を外せば黒度は落ちます。
もちろん、黒度が高いのなら「黒すぎる」でOK。やはり「微妙」は不要。
このように。
「微妙」と「すぎ」は、そもそも同居させる必要性がありません。
同居させなければ表現できないもの、というのが存在しません。
また、
「黒すぎ! 真っ黒!」なのは当然、濃い黒色のもの。
「白すぎ! 真っ白!」なのは当然、濃い白色のもの。真っ赤でも、真っ青でも同じ。
「灰色すぎ! 真っ……」どんな色ですかそれは。私には想像できません。
あるとしたら「黒側に片寄った灰色」であり、それは灰色中央の、ド灰色からは離れます。
すなわち「灰色すぎ」てません。ムリヤリ言うなら「黒すぎる灰色」です。
黒にも白にもならない、「微妙」である灰色に、色の濃淡の意味での「すぎ」はつきません。
まあ現実に使われるのは、「暗いor濃い灰色」ですかね。何にせよ「灰色すぎ」は×です。
(煙突の汚れが酷すぎる、灰色すぎる……なんてのは言えますが、これは汚れすぎという意味で
あり、色の濃淡での「灰色すぎる、真っ灰色」ではありません。「微妙」とも無関係ですしね)
繰り返しておきますが、「微妙」はあくまで灰色。決して黒ではありません。
「微妙すぎるラーメン」とは、「決してマズくはないラーメン」です。お間違えなきよう。
さてさて。
これからいくつか、こんな調子で言葉の誤用について挙げていくつもりですが。
この手の話をすると、必ず出てくる反論が「言葉の意味は時代と共に変わっていく」
というもの。私はこれ、鼻で笑い飛ばします。
だったら、「けーでぃー」という言葉は「日本一のいい男」という意味だよね、
時代と共に今、そうなったよ? と言えば賛成するのかと。
言葉が、時代と共に変化するのは当然です。
ですが、「その時代での正解・不正解」は必ずあります。
具体例を挙げてみましょう。
「一所懸命」と「一生懸命」です。
私が子供の頃は、国語のテストで「一生懸命」と書いたら×がつきました。
「間違えやすいから注意しようね。一生なんて書いたら間違いだよ、恥ずかしいよ」と
先生に教わりました。
しかし今はもう、どんな国語辞典を見ても、「一生懸命」が載っています。大抵は
「一所懸命」も併記されてますが。今なら多分、国語のテストでも「一生」で○でしょう。
このように。
時代と共に変化した言葉、というのは、「時代」が、「社会」が、「公式」に、
認めることで成立するものです。
「個人」が無知ゆえの誤用を指摘された時に、
反論の武器として言えることではありません。
「個人」の主張が通るなら、国語のテストがメチャクチャになります。
先生の採点に対して、自由に好きなだけ反抗できてしまえるのですから。
その辺のブログや掲示板に自演で書き込んで、ほら賛同者がこんなにいるぞ、と。
それだけで×が○になってしまう。
こんなの当然、許されることではありません。
でも、「一生懸命」のように、複数の国語辞典を証拠とするなら、
こんなお手軽な不正はできませんよね。
だから私は、「個人」の主張は一切認めないのです。
でも「言葉の意味は時代と共に変わっていく」ことはちゃんと認めてます。
例えば「一生懸命」のように。
☆☆念の為☆☆
こういった話は、もちろん私の日常の、現実の会話の中で言ってるわけではありません。
流石に、こんなことをいちいち指摘してたら、誰とも会話できませんからね。
だからこそ、現実の会話で言えないからこそ、こうしてネットの中では
ブチまけさせてもらっている、ということで。ご理解下さい。
このデジログへのコメント
確かに、微妙って悪いほうの意味で使いますよね。
全然は肯定的に使いますし・・
よく聞いたらおかしい
「びみょ~」は既に悪い意味で使われていますよね
はっきりと「まずい」とは言いづらいですしね
> はぎんちょさん
「全然大丈夫」って、私の幼少時はギャグ漫画の中でギャグセリフとして
使われてたんですが、今は定着してますよねえ……これもまだ、
「一生懸命」のような公式認定はされてないかと。
> eriさん
どうしても「微妙」を使いたいなら、せめて「微妙にまずい」と言ってほしいんですよ。
真ん中の、微妙エリアの中のマイナス寄りということで。
「微妙」だけでマイナスを表現してるのは絶対嫌。
コメントを書く