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喉仏の位置なんだな

2013年09月05日 00:50

氷河期の過酷な環境で生き抜いてきたネアンデルタール人と、比較的温暖な
アフリカに長く留まったクロマニヨン人と。

中間地点(中東あたりね)で、たびたび、遭遇してはいるんだが、たとえば、獲物
の取り合いということで、摩擦が生じると、ネアンデルタールが勝っていた、という
のが、前日、イスラエル洞窟の話。

けれど、氷河期はますます過酷になってくる。マイナス40度の世界で、ネアンデルタール
人は生きなければならなかったわけ。サバイバルするためのパターンを繰り返さざるを
得なかったろうし、酷寒の地では、肉しか栄養源がない。より強く筋肉を発達させ、
狩猟し、家族・・・一族を養っていただろう。

ネアンデルタールがサバイバルに必死な時期に、北上したのがクロマニヨンだ。最も
過酷な氷河期は3万年くらい前か。

彼らはアフリカで、様々な技術革新を成し遂げていた。まず、暖かな毛皮を縫うための
縫製。そして狩猟のための武器。獲物と肉弾戦などしなくても済む、投げ槍を発明していた。
そして、より安全に狩猟するため、簡単な銛でサカナを採って、食べる習慣を付けていた。
あとは、菜食。果物、野菜。肉食率85パーセントネアンデルタールに比べて、クロマニヨン
は雑食だった。
凍った川ではサカナは取れず、野菜というものをそもそも知らぬ。

こうして、発達したクロマニヨンとネアンデルタールは最悪の氷河期の時代に遭遇する。

家族もしくは数家族の単位で暮らしていたネアンデルタールに、比べ、クロマニヨンは、社会
を構成していた。過酷な冬は部族が集まって、互いの持ち物を交換しながら、助け合って
生きていた。ネアンデルタールから見れば、信じられない大集団が、拠点を築き、冬を乗り越
えていたのだ。
裸ならネアンデルタールの方が強いが、すでにクロマニヨンは毛皮の縫製技術やら、各種の
食料の採取、狩猟に長けていたんだね。

知能はどちらも潜在的には同じだが、肉しか食わない種と、当時としては満遍なく栄養を摂っ
ていた種と、どちらが最悪の氷河期に強かったかは、わかるだろう。疾病率もかなり違ってくる
だろうしね。

同一の祖先を持ちながら、これは未だに謎なんだが、とどめは喉仏の位置。発掘された骨から、
わかることは、クロマニヨンの喉仏の位置は、現代の我々と同じ。ところが、ネアンデルタール
場合は、指三本分ほど上にあった。

どういうこと? と問われれば、まず、自分の喉仏を押さえて見ればよいだろう。

喉仏が下にあった方が、より繊細な音を発することができる。特に母音母音と子音の組み合わ
せによって、複雑な言語パターンが生じる。

ここまで書いてきて、なんだかなと思うが、数万年単位で、両者が置かれてきた環境によって、
要は、どれだけ複雑なコミュニケーションが取れるか、という問題に落ち着く。クロマニヨンは、
交易という概念を獲得し、生き残るために、互助という概念を獲得したのだ。ネアンデルタール
喉では、母音を発音するのは難しかった、とある解剖学者は指摘する。
過酷な環境で、サバイバル言語にとどまってしまったわけ。

クロマニヨンの方が、より大規模で、組織的な社会を形成することができた。また、東ヨーロッパ
ある地域でしか採れない琥珀が、南ヨーロッパで発見されている。物々交換による経済活動が
行われていた証拠だろう。
そのためには、より複雑な言語の発達が必要であったわけ。
ネアンデルタールはその能力を欠いていた。

喉仏の位置が、両者の存亡を分けた、というのが一部仮説。ただし、俺も、そこいら辺かな、と
思うよ。進化した環境の善し悪しが、たぶん、ネアンデルタールとクロマニヨンの明暗を分けた
んだろうな。

これ、よく考えてみれば、現代の人間にもあてはまりますから。環境要因と、どう対決するかに
よって、人間、違ってくるよね。合掌。

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