妄想ジジイの同人映画

町山智浩さんの風立ちぬの
解説を聞いていてやっと映画の
本質が見えてきたので明日にでも
さっそく見に行こうと思う。

もし、風立ちぬが火垂るの墓の
ような作品だったら私は見にいかったと
思う。今回の風立ちぬという作品は
私のようなものづくりに命をかけている
人へ向けた映画であることがわかったから
見に行くことに決めた。

私の頭はふつーではない
いつも空を見て宇宙人が来ないかとか
彗星が落ちてきて人間の元になる分子を
運んできたんだとか
ものを食べていても、将来は分子構造が
自由に操作できてカレーライスも
野菜を準備しなくてもボタンをピッと
押せば分子が勝手にカレーという物体が
出来上がるようになるんじゃないだろうかとか
隣の住人は実は未来の自分ではないのかとか
でっかい蝉がビルのしたから現れて
都庁ビルで脱皮し盛大にミンミン鳴き始めたら面白いなーとか

この妄想癖が絵描きや小説家
映画監督すべてに共通する癖なのだ。
人の話なんて聞いてない。
自分の世界に入ったらもうそれしか見えない。
宮崎監督も、庵野監督も
作中に登場する堀越二郎も
考え出すとその世界に入ってしまう人で
たとえそれが理不尽であっても
やらないではいられない人間たちなのだ。

今回の風立ちぬは
宮崎監督の盛大な妄想映画で
ある意味同人誌のようにパヤオ先生が
書きたいことだけを書いた作品なのだ。
飛行機書きたい！
メガネの男の子(パヤオの分身)と
黒髪の清楚な女の子とラブラブしたい！
世慣れしたヤローは軍人や会社社長にして
とことんバカにして書いてやれ！

名もない監督なら
これと同じようなことを
すると見向きもされないし
クソアニメで終了だろうとおもう。

今までのファンタジー路線の
ジブリしかしらない人は
せいぜい恋愛もの程度の認識
でしかこの作品を見ないだろう。

本当にパヤオ先生の好きなことだけを
映画にしたいわば同人誌のような作品である。
もう宮崎監督は大作を作るつもりはないと思う
もう見る人を意識して作ってない。
脱商業的な作品だと思う。

私は堀越二郎にたぶん近い人間で
そういう妄想の世界に生きる人々への
エールを私はこの作品に感じる。
だからみようとおもった