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一澤帆布“再建”営業再開も信三郎氏「外注してはダメ

2006年10月17日 09:03

 相続を巡る兄弟の対立で休業していた京都市東山区の老舗かばん店「一澤帆布工業」が16日、約7か月間の休業期間を経て旧店舗で営業を再開した。再オープン初日は1時間待ちとなる大盛況ぶり。同社代表取締役・一澤信太郎氏(61)は笑顔を見せた。しかし、斜め向かいに「信三郎帆布」を開業している三男・信三郎氏(57)との溝は埋まらぬまま。信三郎氏も「うち(信三郎帆布)とは関係ない」と両者の関係は依然、冷え切ったままだ。

 午前10時。開店と同時に客が店へとなだれ込んだ。店内に陳列された25種類、約300個のかばんが飛ぶように売れていく。一番乗りは午前6時。入店まで1時間待ちが続いた。「大変ありがたい。休業期間中も電話や手紙で励まされた。私どもの会社に愛着を持ってくれてるのでは」と信太郎氏は笑顔を見せた。

 実質的経営者だった信三郎氏と袂(たもと)を分かったため、過去の取引先とは絶縁状態。そのため「一澤帆布」の再建は布地探しからイバラの道となった。かばん職人も全員が信三郎氏側に移籍。職人もすべて一から探さなければならなかった。経験者テント作りの職人ら本社近くの工場に10人を採用。さらに、四国にある別法人の縫製工場に現地で18人の職人採用生産を委託するという。だが生産数の関係で当面は平日だけの営業になる。

 製品は以前の一澤帆布のコンセプトを守りたいという。信太郎氏は「信三郎帆布よりシンプルで丈夫」とアピール。そして花柄やキャラクターなどを使った弟の信三郎帆布製品に対し「伝統的な一澤帆布のかばんとは変わってきている」と皮肉を込めて話した。

 この“本家”の自画自賛ぶりに信三郎氏は強烈な言葉で反撃した。「ウチとは関係ない」としながら「『一澤帆布』の名前を使うなら、(生産を)外注してはダメ。ただラベルをはっただけでは『一澤帆布』は死んだ…」。

 遺産をめぐる争いは最高裁で決着はしたが、両者の亀裂はますます広がるばかり。「信三郎帆布」は、信三郎氏の長女が設立した別会社「一澤帆布加工所」が作っていたが、信太郎氏が商標侵害に当たるとして現在も係争中だ。この日、群馬県から来たという女性は、一澤帆布信三郎帆布の両方の製品を購入。「普段使いできそうなのは信三郎帆布かも。ワイドショーで兄弟げんかしてるのは知っている。競争してお互いにいい物を作って欲しい」とエールを送った。

 ◆一澤帆布(いちざわはんぷ) 1905年(明治38年)創業の京都の老舗かばん工房帆船用の丈夫な帆布を使い、当初は職人が仕事道具を運ぶかばんや牛乳配達用のかばんを製造していた。その後、京大山岳部など大学生も使用し、80年代からトートバッグを中心に人気となりブレーク。最近では米人気モデルナオミ・キャンベルさんが愛用していることでも有名。赤い糸に囲まれた店舗住所「知恩院前上ル(北側)」のタグがおなじみ。

 ◆一澤帆布お家騒動」の経過 ▽2001年3月 先代の一澤信夫社長が他界。生前の97年12月12日付で作成された「第一の遺言状」では、実質的経営者だった3男・信三郎氏と恵美夫人が株式の大半を相続する予定だった ▽01年7月 信夫氏死去の4か月後、銀行員だった長男・信太郎氏が、信夫氏から生前に渡されたという「第二の遺言状」を公表したため両者が対立。内容は「第一」と逆で、株式のほとんどを信太郎氏と四男・喜久夫氏が相続するとされていた ▽04年12月 第二の遺言状の真偽をめぐり両者が裁判で争ったが、最高裁は「偽物とは言い切れない」として信太郎氏側が勝訴 ▽05年12月 臨時株主総会で信太郎氏が信三郎氏の社長職を解任。反発した約70人の職人、スタッフ全員が信三郎氏と新会社を設立。 ▽06年4月6日 信三郎氏のブランド信三郎帆布」がオープン。道をはさんで斜め向かいの一澤帆布職人不在で休止状態となる
スポーツ報知) -10月17日


相続だとか跡目争いだとか・・・もともと家族なのに起こるんですよね~(-"-)なぜでしょう。一緒の釜の飯を食い、同じ風呂に入り、一緒に生活した中なのに・・・お金がいけないのか、お金や地位に振り回される精神的に軟弱な人間が悪いのか。。ウチはな~んにもないから大丈夫かなぁ~・・・って思ったりするけど、ちょっと考えてみるとウチの弟・・・お金に対して貪欲だからなぁ~。と少し朝から落ち込む私でありました。

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