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戦争と平和

2012年01月30日 11:56

今日からNHKbsで映画、戦争と平和 が始まる、楽しみだ。

二十歳のとき、トルストイの 戦争と平和 を読んだ、長丁場だった、たぶん1週間くらいかかったかと思う。もっと早かったかも。これにはたまげるくらい、感動したもんだ。今では内容はすっかり覚えてない。タダ、感動したことだけは覚えてる。

その後、ドストエフスキーも読んだが、最高峰はこの 戦争と平和 と カラマーゾフの兄弟 だろう。カラマーゾフは宗教を、特にキリスト教を少し理解してないと難しい。だが、戦争と平和は何もなくてもおもしろいし、感動する。

たぶん、オレは、トルストイ古代ギリシアトロイ戦争を描いた一大叙事詩イーリアス のホーメロスを意識していたはずだと思っている。叙事詩ではとうてい敵わないが、散文、小説で向こう張った、うんで、勝てないまでも対等になったという自負がトルストイにあるように思える。たぶん、負けていない。勝っているかもしれない。

ヨーロッパ知識人階層詩人はみなホーメロスを乗り越えようとしてきた、目標にしてきたからだ。ダンテペトラルカ、あまつさえさゲーテでも。古代ギリシアヨーロッパ知識人の憧憬だ。日本人欧米に憧れると同じように。今ではアジアが日本に憧れている。

戦争と平和に向こう張ったのが、マーガレットミッチェルの 風と共に去りぬ、だと思っている。トルストイに勝つことはないだろうが、一歩でも近づきたいという意思があったように思う。一歩どころか、オレはあんがい、肩を並べているかもしれないと思ってる。

オレの商売の師匠は、キャプテンバトラーだ。あのレッドバトラーだ。
南北戦争義援金を集めるためチャリテーパーテーを催した、最初の亭主をなくしたスカーレットが喪服でパーテーに参加するが、レッドバトラーに強引にダンスをさせられる、そのときキャプテンバトラーが言うのだ、カネ儲けは国が滅びそうになるとき、儲けるもんなんだと、な。
オレはこのフレーズをとっさに理解した。

トルストイ戦争と平和は、オレにとって古代ギリシアのホーメロスイーリアス風と共に去りぬの中心を締めるのだ。3点がセットだ。中心に戦争と平和がある。みな欠けてはならないものばかりだ。

いわば、里帰りのようなもんだな。
タダ、映画のデキは知らない。
去年の夏の 人間の条件 は逆に原本は読んでないが、映画のできがあまりにもよすぎるため読む気にもなれない。

ヒトとして生まれたなら、戦争と平和を読むと、まんこすると同じくらい気持ちいいぞ。

映画が楽しみだ。

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