木村屋さん

最近

週5以上で通っているパン屋がある



今回は、きっとたまたま店主の名字が木村さんなのだろうと思うお店の話



初めは遠巻きにチラ見するだけだった

アパートから駅までの道のりを行くと

いつもそのパン屋の前を通りかかる

店先にはショーケース

値札と銀色のトレイに並べられたパン

すぐ斜め手前にはシャッター用の柱

奥には横開きの戸があり

その先にはパン焼きに使うであろう銀色の施設

どれ一つとっても年期を感じさせるものばかり



ある日勇気を出して

チラ見ではなくちゃんと立ち止まってみた

あんパン、クリームパン、

ピーナツバターパン、たまごドーナツ

それにコッペパンに総菜を挟んだもの



言い方を悪くすれば地味な品揃えである

奇をてらい見た目ばかり重視したパンが増え

どこの国かも分からない横文字ばかりのパンが増え

タイアップやネーミングで中身を蔑ろにするパンが増え

そんな世の中に

○○パン だけで大体埋まっているパン屋さん

(ラスクやマフィンとかもたまに見るけど)



じっと見つめること10秒ちょい

奥のパン焼き施設から4.50代の女性が出てくる

この10秒ちょいという時間が実に丁度良い

早過ぎると焦ってしまい

遅過ぎると萎えてしまう

品揃えと選ぶ時間のバランスのタイミングが

上手い具合に成り立っているのだ



最初に何を買ったかは覚えていないが

この日買ったパンは

下がチーズパン(100円)だったかな

中にもダイス状のチーズが入っています

上はオムロールパン(130円)

麺がナポリタンと焼きそばの2種類あり

オムの部分はなんと半熟！

程良く固まったトロトロの卵が

口の中で麺に絡まり、パンに染み込むのです。



そう

最初に何を買ったとか

最初に寄ったのはいつだったとか

そんなことよりも

気がついたら通っていたのだ



オムロールパンは毎日販売してるわけでは無さそうだ

日替わりで結構種類が変わってくる

ちょっと面白かったのがぶどうパン

ご存知の通りレーズン(干しぶどう)が生地に練り込まれているのだが

この店のぶどうパンは二種類ある

ぶどうパン(普通)と

ぶどうパン(ぶどう多め)である



何という細やかなニーズへの対応なんだ

普通のパン屋さんでこんな手の込んだ事しないよ多分

芸細(芸が細かい)ウォッチャーとしてはとても感激だよ



ていうかね

基本的な品揃えが殆どなんだが

その基本的な品が美味いんだ



個人的ランキング3位がオムロールパンならば

2位はピーナッツバターパン多分100円
(ピーナッツクリームパンだったかも知れない)

その理由

まず香ばしい

100％クリーム状になってないのがポイント

9割に留めておくことで

食べた時に適度に食感が良くなり

更にピーナッツが砕けた時に香りが立ち込める

そしてほんのり塩気を感じることでパン全体の味が引き締まり

旨味や甘味を引き立て、より一層食欲をそそる

食欲をそそりつつも、その豊かで確かなピーナッツのコクで

確実にお腹にたまる

この食べ終わった時の満足感は

スーパーやコンビニでは永遠に手に入らないだろう



あぁ……書けば書くほど唾液と腹の虫が……



でも頑張って1位も書くよ！

1位はなんといっても

あんパン(80円)



あんパン。

あんドーナツもたまに見るけど

やっぱりあんパン。

ここのお店のパン生地は

どれもふかふかなのにもっちりしていて

それでいてほんのり甘みを感じるのだ

そんな優しさに包まれた餡は

甘さ控えめの大人しい餡

一口食べた時の自己主張が柔らかい

一口でウマいというインパクトはあまりない

それなのに、また会いたくなる優しい甘さ

この飽きの来なさはレベルが高い

昼飯に母から渡されるのが三日連続でも許せちゃうかも知れないレベル

現に自分が夕飯として三日連続食べただけなんだが
(他のパンも選んだ上で)

二日目なんかあんパン２つやで、２つ

俺どんだけアンコに飢えてたんやっちゅう話やでコレしかし



つい先日はショートケーキも売ってました

あのパン生地から何となく想像はついていたが

ふんわり＆しっとりのスポンジケーキでおいしかった

パサパサ感が無いから飲み物も要らんかった位



てことは

春になったらまた品揃えもガラリと変わるのかな

春の味覚と言えば……じゅるり



そう言えばまだジャム系のパンに出会ってないな

こっちに引っ越してまだ２ヶ月

来年も楽しみがいっぱいですたい