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いい話のような気はするけど悲しくもある話

2011年05月30日 01:57

いい話のような気はするけど悲しくもある話

100万回生きた猫

死んでは生き返ってを繰り返し、100万回もの生を受けた猫がいました。猫にはいつも飼い主がいました・・・その数100万人。
皆、猫が死ぬとワンワンと嘆き悲しみましたが、猫自身は1度も泣いたことがありませんでした。
ところが、この猫に見向きもしないものがいました。それは美しい白い猫でした。猫は腹を立てました。そして毎日毎日、白猫に「俺はすごいんだぜ、なんてったって100万回も生きたんだから」と、自慢話をしに行きました。

白猫は気のない相づちを打つばかりでした。今日も猫は「俺はすごいんだぜ」と言いかけて、途中でやめました。
そして「そばにいてもいいかい?」と尋ねました。白猫は「ええ」とだけ言いました。
2匹は常に寄り添うようになり、一緒にいることがなによりも大切に感じるようになりました。

それからかわいい子猫がたくさん生まれ、猫はもう得意の台詞、「俺はすごいんだぜ」を言わなくなりました。いつのまにか自分よりも、白猫や子猫たちのことを大切に思うようになっていました。
やがて子猫達は巣立って行き、白猫は少しお婆さんになりました。猫は、白猫と一緒にいつまでも生きていたいと思いました。

ある日、白猫は猫の隣で、静かに動かなくなっていました。
猫は白猫の亡骸を抱いて、生まれて初めて泣きました。
100万回泣きました。そしてぴたりと泣きやみました。

猫は、白猫の隣で静かに動かなくなっていました。
それから猫は、もう決して生き返りませんでした。

このデジログへのコメント

  • なな♪ 2011年05月30日 02:09

    kunipiさん:読んだ事あるんですね。いい話といい切れないけど印象に残る話です

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