- 名前
- 実花子
- 性別
- ♀
- 年齢
- 32歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 喪女と化してますが、たまに日記書きにきます。 猫好きの猫娘です。
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五月雨の中ヤツは来る
2011年05月12日 01:36
五月雨がどっと降りしきり、非常にだるい日でした‥
すり足で歩くと大学の廊下がきゅっきゅと音を立てていました。
完全に冷たい雨から生温い雨に移行してきましたね。
最近ヤモリらしき生き物が網戸に張り付いています。
たまにアマガエルだったりするわけですが、春と云うより梅雨が近いんじゃないか、なんて思ってしまいました。
生温かい雨の匂いに誘われ、実花子はいつしか脳内パラレワールドを生み出していました。
窓越しの雨音に心を奪われているとヤツは決まって現れます。
中庭にある鯉の池にばしゃばしゃと乗り込んでいるのはスイマーです。スイマー達は勝手気ままに池の中を泳ぎまわっています。
クロールで泳ぐ者もいれば、平泳ぎもいます。威勢の良いバタフライもいます。時には元気が良すぎて水溜りでばちゃばちゃ撥ねているのもいます。
彼らがうねる様に起こす沖津白波はまるで大海原で遭遇した嵐のごとく襲い掛かってきました。
「面舵いっぱーいっ!」
私がそう叫ぶと、下部のセーラー達は大急ぎで舵を切りました。
ここは妄想の大海、もしくは五月雨の水溜りでしょうか。
しかしそんな事を考える余裕も無く、ただただ、我らが帆船“トリビアン・ミカコ号”に身を委ねる他ありません。
異形のスイマー達は我々をたぶらかしにやってきました。
彼らは何故か一様にミドリ縁のゴーグルをかけているようです。
まるでウォーターボーイズのシンクロの様でした。
不意にザッパぁーん!と舳先が傾いた、と思った瞬間でした。
これこそがイザヤ書に語り継がれるリヴァイアサンなる怪物でしょうか。竜の如く海の魔物が姿を現したのです。
魔物は天高く稲光の如く唱えました。
「我、ここに住まうスイマーの化身なり」
睡魔が限界が突破した時、船の傾きは45度5分に達し、ぐらりと宙に浮いたかと思われました。
「たわけ共!舵を戻さんかいっ!」
とセイラー達に叫びますが、彼らは既に投げ出されて海の藻屑と消えた後の祭りでした。
みしっ!と屋台骨が砕け散り、私はスイマー達の暗雲の底に沈んでゆきます‥。
ガツン!と肘が机上を滑り私は飛び起きました。
どうやら睡魔に呑まれてしまったようです。
スイマーも魔物もトリビアン・ミカコ号も遙か消えた妄想の彼方でした。
時計を見れば一限目の約半分が終わったあたりでしょうか。
私は一睡の夢の向こうに心を奪われたまま、ただただ雨音に耳を傾けるばかりでした。
このデジログへのコメント
> 由宇さん
眠い‥
誤字脱字どこだった??
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