- 名前
- しあん
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 音楽、映画、スポーツ、ドライブなどなど好きなこといっぱい 好奇心旺盛なことだけがとり...
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Tales of Planet Tecle 22
2010年06月28日 23:02
第一章 アファレスとウヴァルス
第七話 迷いの森 6
樹上高く見えないほど細いキシカの糸で縛り上げられたピモモが、身動きを取れずに呆然としているのを見上げながらハルムは艶然と微笑みながら
「あなたがピモモさん?
はじめまして
私はイツキスとエノアの母でハルムと申します」
と、ピモモに話しかけていた
「私の子供たちにずいぶん意地悪をしたということですが、本当ですか?
あの子たちはリリルが大事な用事のために呼んだのです
それを邪魔するとはどういう了見です?」
と、ピモモに尋ねると、
「わしは知らん!
ヌハの親方に命じられただけだ」
と答えたので、ハルムは
「そのヌハはリリルの丘の石舞台であなたと同じように縛り上げられています
正直に答えなければ、ヌハもあなたもこのキシカの糸で賽の目に刻まれますよ
あの子たちの邪魔をして誰が何を得るというのですか?」
と尋ね直した
するとピモモは
「ヌハの親方がリリルのじいさまにいつも無理難題を押し付けられて困っているから何とかしたいって言い出したのは、もう何十年いや何百年も前のことさ
でも、わしら双子は親方から言われたことは何でもやったし、それが楽しくて仕方がなかったから親方が何を言っているのかさっぱりわからなくてよ
だけど、わしらは親方に逆らうことなどできんのでな
何でも言われたとおりにしてきたってわけさ
それで、今回のことも親方から頼まれたんだけど、わしらには腑に落ちん仕事でな
いつもは初めて霧の谷に行くアファレスは、この森を何もいじらずにすんなり抜けさせるのに、今回ばかりはどんなことをしてでも阻止しろって言うんだ
まあ、一緒にウヴァルスがくっついてきているからだって親方は言ってたけどな
そんなことは今までに何度もあったし、そのときだって一度も邪魔をしたことなんてなかったんだ
それなのに親方ときたらどんなことがあってもあの二人だけはこの森を通すなって・・・
そして、元来たところに戻ることも許すなって・・・
ひどいことを言うもんだって思ったよ
でも、親方の言うことなら絶対に守らなきゃならんのでな
そのためにわしは一生懸命頑張ったってぇのに、なんだよこの仕打は?」
と、早口にまくし立てた
「そうだったの・・・
今回のことは、全部ヌハの指示で行ったことだったっていうことですね
・
・
・
みなさん、聞きましたか?
ヌハ?
本当のことなの?」
と、ハルムが誰もいない空間に話しかけると、ピモモは
「何だ?
お前さん、わしらの話を中継することができるのか?
そんなことは一部の限られたアファレスにしかできないはずだ
子供がいるアファレスなんてのも見たことも聞いたこともないぞ
いったいどういう事だ?
お前さん何者だ?」
と、矢継ぎ早に尋ねてくるので、ハルムは
「その話はあとでゆっくり話しましょう
あなたが本当に正直に話してくれていて、この後犀の目に刻まれなかったら・・・ですけどね
さあ、ヌハ?
今度はあなたが正直に話す番ですよ」
と言うと、しばらく目を瞑ったまま時折うなずいたり、考え込んだりする様子だったりしたあとに
「そういう事だったのですね
事情はわかりました
でも、やっぱりあなたは間違っていると私は思いますよ
今の話は、ピモモにはもちろん、他の私の知っているアファレス全てに聞こえるように中継しました
あとは皆がどう考えるかを、あなたは聞かなければなりません
そして、こうなった原因を取り除かなければ、この星の生き物たちは救われないでしょう」
と話すと、少し離れたところから
「うおっ!
なんだこれは?
おいっ!下ろせっ!
どうなってるんだ?」
と言う声が聞こえた
その時、
「プモモ・・・」
と、小さくつぶやくピモモの姿が哀れで悲しかった
つづく・・・
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https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA
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