- 名前
- しあん
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 音楽、映画、スポーツ、ドライブなどなど好きなこといっぱい 好奇心旺盛なことだけがとり...
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Tales of Planet Tecle 21
2010年06月21日 23:31
第一章 アファレスとウヴァルス
第七話 迷いの森 5
石舞台の上にたどり着いた四人は、ハルムの指示でハルム一人だけを石舞台の上に残して、少し離れたところから今から何が起きようとしているのかをじっと見守っていた
石舞台の上ではハルムが中央に立ち、少し上の方を見上げながら直立していた
そして、リルウヴァルトの森の方角を正確に向くと、我が子に話しかけるように優しくささやいた
「エノア、声を出さずともあなたの声は私に届いていますよ
でも、このままでは私はそこへは行けません
イツキスはそこにいるの?
彼に手伝ってもらって!
さあ、二人で力をあわせるのです
あなたたちにならできるはず・・・
あなたたちは私の子なのですから!」
その頃、リルウヴァルトの森の中では、エノアがその光景を呆然と見つめているだけのイツキスに対して
「お兄ちゃん、ここに来て!
一緒にお願いしましょう!
お母さんがそう言ってる
お兄ちゃんに手伝ってもらわなきゃ無理だって!」
と、叫んでいた
なんのことかわからないイツキスは、それでも自分がエノアの力になれるのならと近づいていき、
「どうすればいいんだ?
僕は何をすれば?」
と尋ねた
それに対してエノアは、
「ここに来てお母さんを呼んで!
ハルムに、ここに来て私たちを助けてくれるようにお願いして!
そうすれば必ずハルムは私たちを助けてくれるから!
絶対にそのことを疑わないで!
信じて願えば必ずハルムはここに来てくれるから!」
と答えた
イツキスは半信半疑ながらも、エノアの言葉を信じて一緒に願うことにした
エノアの言うとおりに、疑うことなく一心にハルムがここに来て、自分たちを助けてくれることを切に願って・・・
その時石舞台の上では、そこに立つハルムの身体が少しずつ虹色の霧のようなものに包まれていくのが、少し離れたところにいた三人にも見ることができた
そしてその虹色の霧がすっと消えたとき、そこにはハルムの姿はなかった
三人は石舞台に駆け上がり、
「いったい何が起きたんだ?」
「ハルムはどこへ行った?」
「こんなことが・・・」
と、信じられないものを目の当たりにして驚きを隠せずにいた
リルウヴァルトの森の中では、忽然と二人の前に姿を表したハルムに、イツキスは腰を抜かさんばかりに驚いていた
エノアは、
「良かった!
来てくれたのですね」
と、喜びを隠すこともせずにハルムに抱きついた
そんな二人に対してハルムは
「のんびりしている時間はありません
まずは・・・・・・・・・・・・・・良いわね!エノア」
「うん、わかった!
お兄ちゃん!こっちに!」
と、呆然とするイツキスをもといた道に連れていき、そこでササッと地面に触れて目印をつけて、次の分かれ道を目指して歩き始めた
そしてまた同じように目印をつけると、また次の分かれ道に・・・と、何度かそれを繰り返してから、ハルムが待っていると思われる方向を向いて少し微笑んだ
するとどこからか、
「うわっ!
何だこれは?
おいっ!降ろせっ!!降ろしてくれっ!!」
と言う叫び声が聞こえてきた
つづく・・・
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https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA
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