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Tales of Planet Tecle 20

2010年06月15日 23:27

第一章 アファレスとウヴァルス

第七話 迷いの森 4


「ミリサ、お前にだけは知られたくなかったのだがな

こうなったら仕方がない

どんなことをしてでもお前たちをこの先に通すわけにはいかんのだ」

と、ヌハは4人を凝視しながらそう言った

ミリサは

「少し前から気づいていましたよ

リリルからの鳥文が届いたときのあなたの様子には驚きましたからね

そして、今までのことを考えたら、こんな日が来てもおかしくはないと思っていました

それにしても、なぜこんなことを?

リリルは知っているのですか?」

と尋ねた

ヌハは、

「リリルにはこれまでさんざんこき使われてきたからな

お前さんたちにはわからんだろうが、わしらがそれでどんなに苦労したことか?

だから、こんな機会を待っておったのさ

あの双子があの森で奴らを邪魔している限り、霧の谷は愚かその手前にあるポラの洞窟にさえたどり着くことさえままならんはずだ

そのまま森の中で野垂れ死ぬか諦めて引き返すしかないのだよ

だからリリルは目的を達することなく、絶望のうちにこの世を去ることになるわけよ」

と答えた


それに対してハルムが

「そうは言ってもあなただって私たちを殺すことはできないはずです

どうしようと言うのですか?

今の話を聞いて私たちがすごすごと家に戻ると思っているわけではないのでしょう?」

と言うと、ヌハは

「お前ら4人ごときわし一人で足止めするなど簡単なことよ

この石舞台に登れるものなら登ってみろ!」

と、威勢のいいたんかを切った


その言葉を聞くが早いか、ハルムとミリサは目配せをしてヌハの両横に素早く移動すると、そのままヌハの横から遠ざかる方向に飛び退いた

すると、ヌハは全く身動きが取れなくなり、

「何だ?これは!

お前たち一体この俺様に何をしやがった!」

と叫んだ

ミリサはそれに対して

「私はハルムにキシカの加工を学びに来たのですよ

今あなたを締め上げているのは、こんなこともあろうかとハルムと私が二人で考えて作った特製の捕獲網です

逃げようとしても無駄ですよ

この網はキシカでできていますから、キシカでしか切れません

一本一本は眼に見えないほど細いけれども、こうして500本ずつ、二人で1000本の糸を使って網を作って締め上げてしまえば、どんな刃物でもどんな熱でも受け付けない素晴らしい捕獲網ができるのです

あきらめてこのままこれから何が起きるのかをしっかり見ておくことです」

と言いながら、網の両端をハルムと共にしっかりと締め上げていた

「暴れないでくださいね

暴れるとこの細いキシカの糸は、あなたの身体を賽の目にしますよ

私はあの子たちのためなら、命を捨てることだってできるんです

あなたにはその覚悟がおありですか?」

と、ハルムが言うと、ヌハは

「なんて事だ!

一体これまでわしは何をしてきたんだ?

このままここで見ているくらいなら・・・しかし、このまま見届けないっていうのも悔しいではないか!

一体わしはどうすれば・・・」

とうなだれた


「急ぎましょう!

エノアが疲れてしまう前に、何とかしてあげなければ!」

と、ハルムが言うと、それまであっけにとられて見ているだけだったコトルーとシフォルが

「おおっ!

こっちだ!急げっ!」

と、石舞台への階段をかけ登りだした


つづく・・・

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