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Exec with METHOD_tresure/.

2010年06月20日 01:04

・ここで回復やくだよー。えいよーざいと混ぜればひ薬になるんだぞー

・・ばーか。えいよーざいとマンドラゴラで秘薬だぞー。回復やくと混ぜるのは黒みつだもん。

―はい、両方違うんだぞ?回復薬と混ぜるのは蜂蜜で、栄養剤はグレートにしないとマンドラゴラとは混ざらないからな?

・・知ったかぶりしてやんのー。そうだぞはちミツを混ぜるんだもん・・・ランドラゴラと回復やくグレェトで・・・

ばーかばーか、早そく間違えてやんの。マンドラゴラ栄養グリードを使うんだぞー。

・・ぅー、ばかって言った方がばかなんだもん。ばかばかがばがば

・アッタマ悪いねおまえ・・・がばがばになってどうするんだよー。



 かれこれ一時間が過ぎようという頃であろうか、生憎時計はないが、ストーブの上に乗せたやかんの湯気が如実に時間の経過を示していた。


―はい、比較的生産性のない罵りあいはそこまでにして・・・早く狩ろうな?こいつを倒したら次は・・・

「「ちんー(亜種)!」」

―・・・うい、二匹ね、了解・・・それから、ちゃんと名前で呼んであげような、そういうコトは俺みたいにおっきくなると猥褻物陳列罪として裁かれるケースもあるんだよ?

・漢字がムズカしくて読めないー

・・お子さまにムズカしい物いいはするなっておばさまに怒られたばっかりだよー?


 「日本の冬を示すものは何か」と聞かれたとき「雪」と瞬間的に答える人間は何人いるだろうか。あくまで自分が調べた結果ではあるが「こたつみかん」が大多数を占めるというデータが出ている。
 故に我々は日本の冬を体現した家具において、各々携帯ゲーム機を手に取り、「狩り」をしていた。外には空気を冷やす北風が吹きすさぶというのに、ハンター達はホットドリンク(ホット「な」ドリンクではない)を片手に明らかに振り下ろせば脱臼は必至であろう巨大な剣と巨大な鎚を獲物に叩きつけている。血飛沫がそれこそ破裂せん出る割には外傷が皆無であるあたりはゲームであると目をつむって頂きたい。

 ともあれ、我々は狩りをしていた。最早取扱説明書は見るに及ばず、感じるままにキャラクターを導ける領域に達しているのは、プレイ時間と比例するが故だろう。各々、自然と役割は決まっていた。




『ああぁ・・・また三回死んだ。これでこのクエストも始めからやり直し・・・と』

《・・・おい、俺の使った閃光玉と音爆弾を返せ。後シビレ罠と落とし穴もだ、賠償金請求モノだぞこれは・・・》

『あーいや、これはその・・・アレだよ。アイツ振り返ってから有り得ない動きで電撃ブレスを吐いたから・・・』

《有り得ない避わし方して、理不尽に死んだ・・・と?》

『そうそう!流石話がわかるぜ師しょ・・・』

《馬鹿、何でお前は妙に理屈をこねる癖に特攻癖があるんだ・・・いいか?良く聞けよ?》

『・・・たまーに親父みたいだよアンタ・・・』




・ああぁしぬしぬ!・・・しんだぁ

・・ばーかばーか、今のはあきらかに電げきブレスだったから後ろがわに行かないとダメなんだぞ・・・あ!?

ばーかばーかぐーず!そんなコトいいながらビリビリしてやんのー!


「「あと一回しんだらクエストしっ敗だよ?」」


―・・・オス、努力しやす。




<<モンスターと俺たちの違いは何だ?>>

『そりゃあ考え無しに罠につっこんだり、ブレス吐いたり岩投げてきたり・・・』

<<そんな奴に勝つにはどうしたらいいと思う?>>

『そりゃあアレでしょ!気合満点勇気満点猪突猛進勇気と正義があれば・・・』

<<その勇気と正義とやらでお前はどれだけボコボコにされたと思ってる?>>

『ええと、こいつだけで多分にじゅうよ』

<<・・・いちいちカウントしてたのかお前は。いいか、お前に足りないものはな・・・>>

『魂と根性!』

<< カラダで覚えた方がいいな、もう一回ボコボコにされてこい、このグズ>>




―はい、では俺が囮になるから君達は持ち前のボウガンと弓でバンバン射っちゃってください。

・あい!おんちゅー!

・・うぃるこ!おんちゅー!

―・・・その、前からお願いしてるんだけど、温を呼ぶときには是非「ボス」か「リーダー」・・・あ、「チーフ」がいいなあ・・・

・えーでも好きによんでいいってT兄ちゃんが行ってたよ?

・・そうだよー、一番良い呼び方は「ぐず」らしいけどー

―ホントに傷付くからやめて下さい。




『あーっ!また死んじゃった・・・』

<<グズ>>

『冷たいぜ師匠・・・ついに会話が単語だけになっちゃったじゃないか・・・』

<<わかった。お前はアタマを使うな、気合いと根性と魂で斬りかかれ>>

『随分と皮肉っぽいっスね・・・』

<<いやなに、悪い風にとるな、適材適所って事だろう。>>

『・・・?』

<<お前が斬って、俺が撃つ。簡単な事だ。各々の仕事をしっかりすりゃいい。だから・・・>>





・勝ったー!わっふー!

・・るっぷるぐ!らりー!

クロノア語になってるよ?きちんと日本語で話そうな?




<<ゲームをすることに誇りをもつべきだ。ただスキルがあるだけじゃない。誇りをもてることが、ゲーマーの素質にして、最大だ。>>

『・・・?』

<< 鳩が5.45ミリ弾食らったような顔をするな、いいか、噛み砕いて言うぞ?お前の目の前、20メートル先に敵がいる。罠と、毒矢と、剣がある。どうする?>>

『ダッシュで斬りかかる!』

<<そーゆー事だ。ハタから見ればバカらしい選択だ。誰もが選びにくいだろう。だがそれがお前の楽しみ方。それでいい、それがいい。>>




・さすがは温ちゅー!

・・うん!だてにぐずじゃない!

―・・・あんま意味わかってないでしょ?


「「どうやったらそんなに強くなれるの??」」


―難しい質問だな・・・ええと、そうだね・・・


―強くなる手段ってあるんですか?例えば秘奥義みたいな・・・師匠、そういうの作るの、得意じゃないですか

<<お前の中で俺はどういうイメージなんだ・・・?>>




<<強くなる手段、勝つための手段ならある。だけれどそれがお前や俺のスタイルに合うとは限らない。だから元来「万人への必勝法」なんてない。強いて言うなら・・・>>




<<「ゲーム」を楽しんでるか?>>

「ゲーム」・・・楽しんでる?

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