- 名前
- しあん
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 音楽、映画、スポーツ、ドライブなどなど好きなこといっぱい 好奇心旺盛なことだけがとり...
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Tales of Planet Tecle 17
2010年05月24日 22:09
第一章 アファレスとウヴァルス
第七話 迷いの森 1
ミリサがリリルの街でシフォルやコトルーとハルムと様々なことについて話をしているその頃、イツキスとエノアはリルウヴァルトの森の中で悪戦苦闘していた
特に自分自身の記憶力に自身を持っていたイツキスは、違う道だと信じて進んでも何度も同じ場所に戻ってしまうことに相当凹んでいた
そんなイツキスを見ながらエノアは、森の中で上にある木の枝を見たり下の地面を観察したりしながら、時折微笑んだりして楽しそうにイツキスのあとをついて歩いていた
2日目の昼過ぎのこと・・・エノアはイツキスに
「一度ゴセの滝に戻りましょう」
と言った
「滝に戻るって?」
怪訝そうなイツキスに
「うん、このまま歩き続けても疲労するだけだよ
お兄ちゃんが置いていった目印も全部誰かに置き換えられてる
同じところだと思っていたところが違う場所だったり、違う場所だと思っていたところが同じ場所だったり・・・
とにかく意図的に私たちを邪魔している人がいるよ
どんなに記憶力が良くても、これじゃあ絶対にこの森は抜けられない」
と、エノアは答えた
「この森の中に誰かがいて、僕たちを邪魔しているって言うのか?」
と、イツキスが訊くと、エノアははっきりと
「ヌハの街からゴセの滝までの間、私たちを監視していたのと同じ人だと思う
今はあの時みたいにはっきりと気配があるわけじゃないけど、この森のあちこちにすごい悪意が残ってるよ
気持ち悪くなるくらいに・・・」
と答えた
「そうなのか・・・僕には感じられないけど、お前がそう言うのなら間違いないんだろう
で、滝に戻ったらどうするつもりだ?」
とイツキスが訊くと、エノアは
「私に考えがあります
うまく出来るかどうかはわからないけれども、きっと大丈夫!
ただ、これ以上体力を消耗すると、呼び出すことはできないかもしれないから、とにかく滝に戻って休みましょう」
と答えた
そうして二人は元いたゴセの滝を目指して歩き始めたのだが、その滝までの道さえもわからなくなってしまっていた
はじめは口元に少し笑を浮かべていたエノアの表情も、時間とともに厳しさを増して行き、その日の夕方には
「お兄ちゃん、今日は早めに休んだ方が良いよ
明日のために・・・」
と言い出した
イツキスはそんなエノアを気遣って
「そうだな、どっちに行くにしてもこうも道がわからなくなるようだと悪あがきしても無駄だな
お前に考えがあるのなら、そのために今日は早めにゆっくり休んでおいた方がいいだろう
それにしても、僕たちが霧の谷に行くことを邪魔して何の得になるって言うんだろう?」
とこぼすと、エノアは
「リリルの命を受けた3人のアファレス・・・ヌハと、ピモモ、プモモの双子・・・
おそらくその内の双子のアファレス、ピモモとプモモが私たちの邪魔をしています」
とはっきり答えた
イツキスは驚いて
「どうしてそんなことを?」
と訊くと、
「ミリサが教えてくれました
ヌハには気を付けるようにと・・・そして、この森は双子のアファレスが守っていると・・・
彼らは自分の意志で私たちの邪魔をすることはないけれども、リリルの命ならば命がけで私たちの邪魔をするだろうと言っていました
リリルが自ら私たちを呼んでおいて行く手の邪魔をする・・・リリルが私たちに課した試練なのかもしれません
この苦難を乗り越えて私の元へ来いと・・・」
と、エノアが答えた
それに対してイツキスは
「どうして?
何のために?」
という言葉しか出て来なかった
つづく・・・
*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・
https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA
このデジログへのコメント
> 美空さん
2月から書き始めて、もう4ヶ月も経ってしまいました
これから数回はエノアの一番の見せ場になる予定です
お楽しみに!(^-^)
> mai0826さん
こちらこそよろしくですm(_ _)m
きっとあなたには楽しいことがいっぱいありますよ!
僕はこのお話を書いていられるだけで幸せです(^○^)
読者は少ないけどね
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